不動産市場が活況なのは、年度末です。

転勤の辞令が出された方や、お子さんが小学校に上がるご家庭など、新年度に新しいおうちに移りたい事情を抱える方が多いためです。

事情によっては新住所の住民票が必要で、「何がなんでも4月アタマには引っ越したい!」という切羽詰まった方も。

そのため、中古不動産は2~3月によく動きます。

探す人もあれこれ見て回るし、売る方もターゲットが増えるのを見越して年度末を狙って出してきます。

なので物件数が増えて買い手の選択肢が増加し、別に年度末に合わせて買わなくていい人まで年度末に探すという、活況のスパイラルに。

ワタシがマンションを売ったとき、年度末にかけて競合物件が続々と市場に出るので「ウチが霞むんじゃないか!?」と心配になりました。

参考:競合物件はいくらで売りに出されているか、要チェック!

しかし、その心配を上回る勢いで内見者が訪れ、嬉しい悲鳴を上げることに。

……自分も年度末に引っ越す予定だったので、ぐっちゃぐっちゃの部屋を内見してもらうことになり、ホントに悲鳴を上げていました。

では、その活況な2~3月に売りに出せば万事OKなのでは。

と思いがちですが、もう少し早めに準備をしておくことをオススメします。

というのも、不動産を売りに出すこと自体は素早くできますが、買い手側にスピード感があるとは限らないからです。

市場に乗せるのは、仲介業者と契約してしまえば即日レインズに掲載してもらって全国デビューすることも可能。

しかし、買う方はそうもいきません。

複数の物件と比較して悩んだり、家族会議を開いたり、ローンの審査結果待ちをしたりでそれなりに時間がかかるからです。

しかも「ローンの審査に落ちちゃったから買えませ~ん」というオチになる可能性もあるわけで、そうすると買主探しをイチから探すことになります(購入希望者が多数いればイチからにはならないにせよ)。

それに、数多の競合物件に埋もれに行くのももったいないハナシです。

年内に売り始めて目立っておいて、競合物件が増えたら値下げしてもう一度目立つという手もあります。上手くいけば値下げ前に買主が見つかるかもしれませんしね。

逆に、不動産が動かないのは、夏です。

年度末ほど人の異動がないし、そもそもあちこち内見するには暑過ぎる。

特に期限がないのであれば夏の売却活動は避けた方が無難でしょう。

セオリー通りに動かない物件もある?!

ところで、シーズンに沿って動かない物件もあります。

それは単身者向けの狭小マンション。

もちろん、上記のような動きと似たような動きはするのですが、ファミリータイプの部屋や戸建ほど「年度末だから売れる」というハッキリした傾向は出ません。

というのもファミリーほど切羽詰まった事情で家を探しているシングルは少ないからです。

「いいマンションが見つかったら買うことを考えてもいいかな~」という程度のスタンスの人も多いので、3月だからと買う必要はないわけですね。

というのに気づかないまま狭い部屋を売ったワタシは、3月になって「早く売り抜けてしまわねば!」と焦ってしまいました。

が、4月に入っても引き続き内見者は現れたので、セオリー通りにいかないものなんだなーと思い知った次第です。

では単身者向け物件が売りやすいかというとそうでもなく、気に入られなければ延々と売れ残り、年度末にチラシや値下げで追い込んでも効果が薄いという欠点もあります。

なので勝負の賭けどころが分からず、売却活動がズルズル長引くなんて事態にも。

ターゲット層はどんな人達かを見極めて、上手に売り抜けたいものですね。

 
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