不動産を売却するとき、仲介業者から「売出価格はいくらにしますか?」と訊かれます。

できる限り高額の売出価格をつけたいのが人情ってものですが、果たして適正売出価格はどれくらいなのでしょうか。

仲介業者の査定価格では成約できない?!

高い査定価格が出た! でも、その仲介業者はホントに大丈夫? で「やたらと高い査定価格を出す仲介業者は信用ならん!」と書きました。

数社に査定をお願いすると、大体どこも似たり寄ったりな数字を出してくるんですよ。そのレンジから大幅に外れるような数字を出す業者には真意を確認した方がいいかと思われます。

ただ、どの仲介業者も「ま、せいぜいこんなもんの額でしか売れないね」という最低価格を出すわけでなく、どちらかというと「頑張ればこれだけ高く売れます!」「これだけ高く売れる可能性もあります!」という希望を込めた査定価格を出しているカンジがしました。

実際のところ、仲介業者の出す査定価格のレンジの高い方で売り出してみると、問合せがさっぱり入りませんでした。

売主としてはどんどん問合せが入ってガンガン内見に来るのを期待して意気込んでいるわけですから、この状態は結構精神に来ます。

だからといって「希望的観測を基に査定価格を出しやがって!」と怒る筋合いのモンでもないかなーと思っていました。

どの業者も契約を取りたくて前のめりになっているわけですから、できる限り高い査定価格を出したくなるのは致し方ないことです。ワタシのマンションがもっと魅力のある物件だったら、きっとその価格で売れたのでしょう……。

売出価格は売却活動期間次第で決める?!

できるだけ高く売りたいという気持ちの一方で、高額で買ってくれる人をいつまでもだらだらと待つわけにもいきません。

名義が自分の間は固定資産税がかかりますし、マンションなら管理費や修繕積立金が必要です。

次の不動産の資金等に回すために現金を用意するタイムリミットもあるでしょう。

何より、長期間売りに出されっぱなしの物件は、いかにも「売れ残り」に見えて悪い印象を与えます。

写真ではステキだけど実はとんでもない瑕疵があるのでは?

ご近所に信じられないようなトラブルがあるのでは?

などと要らぬ疑いを抱かれる。

また、売出期間中に何度も値下げをしているような物件は、これまた買い手に良い印象を与えません。

どんどん値下げしないと客がつかない程ひどい物件なのだろうかと勘繰られたり、もう少し待てばもっと値下げするかもしれないと様子見をされたり。

短期決戦を迫られている方は、「高く売りたい」という欲望をぐっと堪えて最初から売れそうな価格で出してしまいましょう。

しかし、そういったリスクがあると承知の上で敢えて高めの価格で売り出すという戦略もあります。

「来月にでも次の家の頭金を作らなきゃいけない」みたいに切羽詰まったリミットがある方には不可能な戦略ですが、売却活動が長期戦になっても構わない方は挑戦する価値があると思います。

最初はそれこそ仲介業者が前のめりになって出す査定価格くらいで売り出して、それで買ってくれる人を気長に待つ。不動産市場が活発化した頃合を見計らってちょっと値下げして、成約。

資金と時間と心に余裕があれば、ぜひチャレンジしてみてください。

 
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