マンションや戸建を売却するときは、何かと不安がつきまとうものです。
ちゃんと買主が見つかるのか?
損が出ない価格で成約できるのか?
何カ月も売れずに残ったらどうしよう?
ワタシのマンションの購入・売却の経験を思い返すと、購入の方がはるかに気楽でした。
そりゃ不動産を買う側にも不安はあります。
長期間住宅ローンを返済し続けられるだろうかとか、買っちゃった後に転勤になったらどうしようとか、あれこれ考え始めると「マンションなんか買わなくてもいいんじゃないか」と思ってしまうほど心配の種が尽きません。
でも、不動産を買う側って山ほどある物件の中から選べるから、すごく能動的な悩みってカンジだったんですね。
新築マンションにするか中古マンションにするかを選ぶのも自由。どのエリアのどんな間取りの部屋を選ぶかも自由。
もちろん、収入や勤務先などのしがらみがあるので完全な自由ではないのですが、気に入らなければ買わないという自由もあるわけです。
それに引きかえ、自宅の売却というのはひどく制約がある中での勝負でした。
駅からちょっと遠い、ファミリーが住むには狭い、建築会社のブランド力が低い、日照が今ひとつ、……などなど欠点も含めての売り出しになります。
買い手が近所のマンションと比べて「やっぱり駅近であればあるほどいいからあっちにするわ」と言っても、売主としては他にカードを持っていないからもうどうしようもないわけですね。
資金の問題から「やっぱり自宅は売らない」という選択肢もないし。
そして内見者が来ても成約に至らないとか、そもそも内見者がさっぱり現れないなんてことになると余計に不安が募ってきます。
問合せを待つだけの受け身な状態で不安が募るので、なかなか心穏やかならざる日々でした。
では自宅売却の際の不安はどう処理すればいいのでしょうか。
内見者に物件の魅力をアピールする
これは逆効果なので要注意。
内見にまで至る人は、そもそも資料上の情報にも何らかの魅力を感じているわけです。
果たして実物を見てもときめくのかを確認するために内見するわけですから、さらにあなたにアピールしてもらうことは特にない。
強いて言えば、買い手側としては魅力も瑕疵もありのままに淡々とプレゼンしてもらえると検討材料としてありがたいですが、それは内見前に仲介業者にやってもらっておきたいことです。
せっかくの内見では部屋のそこら中を邪魔されることなく見て回りたいですからね。
なので内見者へのアピール方法は仲介業者と事前にしっかり打合せをし、当日は清潔な家でお迎えすることに専念するのがよいかと思います。
営業の戦略を見直す
決まったスペックで勝負するという点では新築マンションの販売も似たような状況ですが、あっちは数十~数百戸を売り上げてしまいます。
これは、「新築」というプレミアの力もさることながら、広告宣伝を大々的に打つためです。
駅の巨大ポスターやらテレビのCMやら、新築マンションに興味のない人の目にまで触れるような手段を取りますからね。
さすがに1戸ではここまで大々的な手は打てませんが、こっちは1戸さえ売れればいいわけですから大々的な宣伝活動は非効率なだけです。
では中古住宅の売却はどのような営業を掛けていけばいいかというと、ターゲットを的確に絞った活動をオススメします。
例えば、あなたが売り出しているのが単身用のコンパクトなマンションだった場合、小さなお子さんのいるファミリー層が家族で住むために買う可能性は非常に低い。
なので専有面積が広めのでどんどんチラシを撒くのは、とても非効率な営業活動です。
それよりはエリアを広げて小さなアパート限定でチラシを配るとか若者に人気のあるサイトへの広告出稿に限定するとかの方が、ターゲット層へ訴求する可能性が上がります。
究極的には、確実に買いそうな個人へ直接申し出るのが最も効率的。
ただ、普段やっていない活動は仲介業者が嫌がるかもしれません。
しかし、仲介業者の方も多彩な営業を展開しているわけでもなく、通り一遍の活動をしたら「もう打つ手がありません~」とさっさと根を上げやがります。
なので「その程度の活動でプロを名乗るんじゃない!」とお尻を叩くことはしておいた方がいいです。
営業活動の変更も、そんなに経費がかからなければ業者も乗ってくれるかもしれませんよ。
値下げをする
価格を更新すると不動産売買のサイトで「新着情報」として扱われるので、人目に触れる機会が増えます。
そして、それまで予算オーバーで諦めていた人達からも問合せが入るので内見数が増えます。
もっともこれは「希望価格で売れるだろうか?」という不安の解消には繋がりません。
売出価格を決める際、ある程度の値下げは見越した値段に設定してくださいね。