家屋がある場合と更地とでは税金に差がある
今でこそリノベーションブームがあり、古い家屋でも重宝される時代ですが、昔は築年数が20年を超えれば更地にしたほうがいいという意見が多かった気がします。このような意見が頭に残っている人は、不動産売却は古い家屋を残さず、更地にしたほうがいいと思っているかもしれません。
更地にすることのデメリットとして真っ先に思い浮かぶことは解体費用がかかることだと思いますが、更地にすることのデメリットはそれだけではありません。家屋が残っている状態と更地とでは、税金が大きく違うということをあなたは知っていましたか?
家屋がある場合は特例措置が適用されている
家屋が残っている場合と更地とでは固定資産税に大きな差が生まれます。土地の条件にもよりますが、最大で3〜4倍も高くなることもあるようです。では、どうしてこのようなことが起きてしまうのでしょうか?
実は家屋が土地の上にある場合は、土地にかかる固定資産税を抑えることができる特例制度があるのです。それを固定資産税特例措置と呼びます。特例措置の概要は以下の通りです。
・小規模住宅用地(住宅やアパートなどの敷地が200㎡以下の部分) 固定資産税:価格 × 1/6 都市計画税:価格 × 1/3
・一般住宅用地 (住宅やアパートなどの敷地が200㎡以上の部分) 固定資産税:価格 × 1/3 都市計画税:価格 × 2/3
これを見てわかるように家屋があるのとないのとでは、税金に大きな差ができてしまうのがわかります。
不動産というのは売りに出したからといってすぐに売れるかどうかは誰にもわかりません。更地にした方が売れるだろうと思い、更地にしたのはいいものの、いつまでも売れずに残ってしまえば家屋があるときよりも高い税金を払い続けなければならないのです。
また、建設予定地はもちろんのこと、建築工事中であってもその土地は住宅用地としては認められないので、建築まで長引く可能性がある場合も注意が必要です。
更地のメリットとデメリットをよく考えること
税金のことが気になる人は更地にする前に、本当に今ある家屋で魅力的な部分がないのか検討してみるのがいいでしょう。気づいていないだけで、買い手にとってメリットになるようなポイントがあるかもしれません。
また、更地にもメリットが当然あります。地方で問題になっている空き巣被害を受けることはなくなりますし、定期的なメンテナンスも必要ありません。放火の被害も受けることがないので、売り出している間も安心して買い手が現れるのを待つことができます。
税金対策も含め、不動産を売却するときは更地のメリットとデメリットをよく考えてから決断するのがいいでしょう。