築年数が古いからといって安易に更地にするのはNG
不動産売却では自分で建てた物件を売却することもあれば、祖父母から受け継いだ一戸建てを売却することもあると思います。祖父母の家というのは思い出があるし、売却することに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、現実問題として維持費がかかりますよね。そこで売却という手段に出ると思いますが、築年数が古い一戸建ては更地にした方が売れるのか売れないのか、気になる人が多いのではないでしょうか?
もちろん更地にして土地だけで売ることにもメリットはありますが、ちょっと待ちましょう。築年数が古いからといって、絶対に売れないというわけではないですし、まずは中古戸建として売りに出してもいいと思います。家屋を解体する費用もかかりますし、明確な理由がない限り、安易に更地にしてしまうのはもったいないでしょう。
中古物件と土地だけの両方で出すのが賢い選択
少し前までは築年数が20年以上もある物件は資産価値がほとんどないと言われ、更地にした方がいいという意見が多かったですが、昨今は少し事情が違います。その大きな理由がリノベーションブームです。
リフォームと違い、古い部分の良いところはそのまま残し、変えたい部分は新しい内装や設備などに変えるなどのリノベーションが流行っていることもあり、「築年数が古い = 価値がない」という常識が見直されつつあります。もちろん購入希望者の好みにも大きく左右されますが、「とりあえず更地にしよう」という考えは少し待った方がいいでしょう。
しかし、土地だけが欲しいという人がいるというのも事実です。そこでお勧めなのが中古戸建と土地だけの両方で売りに出すという方法です。
「え? 建物が残っている状態でそんなことできるの?」と思う方もいるかもしれませんが、問題ありません。みなさん気づいていないだけで中古戸建の物件情報には「更地で渡すことも可能です」といった条件が記載されているものがふつうにあります。
中古戸建と土地だけの両方で不動産売却を進め、土地だけが欲しいという購入希望者が現れた場合は家屋の解体費用をどちらが持つのか決めます。または解体費用に関してはおいおい相談して決めましょうというふうにしても大丈夫です。
注意したいのは築年数が古い一戸建てに対し、「中古戸建と土地だけの両方で売却してみるのはどうですか?」とアドバイスしてくれるかどうかは不動産会社の担当者によります。
しかし、不動産会社の人は不動産売却に関してもプロですが、優先するのはやはり持ち主がどういうふうにしたいかということだと思います。自分から提案するくらいのつもりで相談してみるのも良いでしょう。
このように中古戸建と土地だけの両方で不動産売却することができるというのも、情報収集しておかなければ知らない人がほとんどでしょう。今回の件に限らず、不動産売却は不動産会社の意見に頼るだけでなく、自分に何ができるのか情報を集めつつ、売却を進めていくことが大切です。