世の中には減らす工事も存在する
改修工事やリフォームといえば壊れたものを直したり、新しく設備面を強化したりなど、何かをプラスするというイメージが強いと思います。ですが、世の中には建物の一部分を減らす工事があることを知っていますか? 建物の一部分を解体し、構造の変更や部屋を減らす工事のことを〝減築〟と呼びます。
「せっかく建てたのに減らすなんてもったいない!」このように感じる人もいるかもしれませんが、減築にはちゃんとメリットがあります。
あまり知られていない減築のメリットとは?
<メンテナンスにかかる費用の削減>
極端な話ですが、一軒家と雑居ビル、定期的に行われるメンテナンス料金が高いのはどう考えても後者ですよね。建造物というのは大きければ大きいほど、メンテナンス料金は高くなるものです。これは一軒家の広さで考えた場合でも当てはまります。
1LDKのお部屋と3LDKのお部屋、どちらの方がメンテナンス料金が高いかというと、やはり後者です。また、どの家庭でもお部屋の掃除をすると思いますが、一部屋多いだけで労力が全然違いますよね。このように部屋数を減らす減築を行えばメンテナンスにかかる費用と労力を減らすことができるのです。
<老朽化によるリスクの軽減>
建造物というのは、どんなに入念な手入れをしていても、いずれ老朽化します。老朽化のリスクは建造物が大きいほど高くなる場合があります。例えば雨漏りした場合を考えてください。5部屋あるうちの1部屋だけでも雨漏りすれば、改修工事をしないわけにはいきませんよね。もしも最初から3部屋だったとしたらどうでしょうか? 雨漏りは起こらなかったかもしれませんし、5部屋はちょっときつくても、3部屋だけなら日々のメンテナンスが行き届き、雨漏りを未然に防ぐことができたかもしれません。このように部屋数が多いというのは決してメリットだけではないのです。
<ライフスタイルに合わせた生活空間>
子供たちが成人して家を出ると、部屋が広すぎると感じるご夫婦がいると思います。部屋を残しておきたいという気持ちもあるとは思いますが、日々の掃除・メンテナンスの費用などを考えると、減築するのも良いとは思いませんか?
このように減築というのは老後のライフスタイルに合わせた生活空間を作れるのが最大のメリットなのです。