訳あり物件専門家 白石 麗花です。

昨夜は冷え込みました。

手がかじかむ感覚は冬将軍の到来を実感します。

今回のコラムは懐具合が寒い相談事の事例です。

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訳あり物件(債務超過編)

仕事を辞めてしまった。病気になってしまった。

給与の減額など様々な理由による住宅ローンの滞納

話を聞いていると住宅ローン問題だけでなく、

固定資産税・管理費・修繕積立金・駐車場代なども滞納していて、

合わせるとかなりの金額です。

下を向いたご主人の困惑している表情の奥にはカードローンも

借り入れ枠がいっぱいで行き詰っています。

債務超過で行き詰った方の寝室はカビがいっぱい。

そんな表情を垣間見ると

もう少し早く相談していただければよっかたのに。

と思ってしまいます。

そして、ご自宅にお邪魔した際に気になったのは

家中のカビ。玄関のクロスは剝がれてしまっていました。

カビの中で生活している

幼稚園と小学生のお子さんは喘息の治療をしていました。

ここに住んでから子どもたちは喘息になり、ご主人は事業がうまくいかない。

新築時にマンションを購入してから約10年が過ぎ、

当時より家族が増えたので、それに伴って家財も増え、常に室内は散らかっていました。

マンションの売却代金で借金の完済は難しく、かと言って自己破産はしたくない。

奥様は子どもの学区が変わるのは困るし習い事を辞めさせるのも嫌だとおっしゃいます。

家計のことはご主人が賄っていたので奥様の主張も当然なのかもしれませんが。


移転費用、引越費用の捻出が可能なのか配分案を作成しながら

私の眉間には皺が。

買主に買上げ交渉するしかないかな。

業者が事業として成立する数字が叩き出せるのか?

売手よし買手よし世間よし

の理想の絵柄が描けないと基本、ビジネスは成立しません。

一般的に不動産業者ばかり儲けているイメージがありますが、

リフォームする度合いによっては

債権者の出してくる数字で業者は買えない。

ならば、エンドのお客様では

ここまでのリフォームは仕上がりのイメージがつかめず

ここまで散らかってる部屋に案内しても

たぶん成約は不可能だろうな。

などと頭を抱える事が多いです。

このカビだらけのお部屋の行く末は

サービサーとの話の折り合いが付いて、残債は残りましたが

マンションの売却はできました。

カードローンなどが未だ残ってはいて

まだまだ安心できない状態ですが、勤め先の仕事は順調で

少しずつ借金を返していける状態までになりました。

カビだらけのマンションでの生活から脱出。

ここのご主人、初めて私に会った夜にリビングで

「こんちくしょう!」

という大きな声を聴いていました。

その日以来、この部屋に帰りたくない。という気持ちが強かったので

引越しすることができてよかった。

という取引でした。

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