訳あり物件専門家 白石麗花です。
今年もクリスマスツリーに人だかりができる季節になりました。
忘年会にクリスマス、年越し、お正月は人寄せやパーティなど「みんな一緒」
集まる機会が増えます。
家族やカップル、仲間など交流がある人には楽しい季節ですが、
必ずしもみんな同じとは限りません。
家族の中でも孤立している、そんな方も意外とたくさんいらっしゃいます。
以前、母親を殺害したうえで自らの命を絶った精神障害の方がお住まいだった
マンションの取引をしましたが、
その時、人の思考は環境に影響されていて
誰とどんな所で生活するのかがとても大事だということを感じました。
大概の人はそんな事件や事故はうちでは起こらない。と思っていますが
他人事のようで実は、身近には様々な家族問題が起こっています。
たとえば・・・以前こんなことがありました。
病院で亡くなられたお母さまから相続したマンションを売却したいという依頼は、
なんの事故もなく訳あり物件ではありませんでした。
当社で専任でお引き受けしていたにも関わらず、他業者さんからの取引希望が殺到する
ような人気のマンション。都心の駅前、徒歩1分の物件でした。
近郊の戸建にお住まいの依頼者様のご自宅へお邪魔した際、
奥様が軽度の精神障害で通院されていることがわかりました。
そしてよくよくお話をお伺いすると、
40歳の息子さんが、今もこの家の2階で10年近く引きこもっているというのです。
内閣府の調査では、人口推計と合わせて換算すると、狭義ひきこもり数は23.6万人・広義は69.6万人。「ひきこもり」の定義は「普段は家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からもほとんど出ない」「普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する(広義ひきこもり対象」(2016年5月31日付内閣府調査、「子供・若者白書(旧青少年白書)」より)
ご自宅で引きこもりのお子さんによく見られるの行動の中に、一日中お風呂に入っている
というものがあります。自らをきれいにしたいという意識がそうさせているようです。
段ボールを被った引きこもりのお子様がいるご自宅を売却するテレビドラマがありましたが…
私の場合は、そのお子様は段ボールはかぶっておらず、私がドア越しにお声掛けした際、
乱暴にドアをたたきながら、勢いのある声で「うっせえんだよ。馬鹿野郎」と言われてしまった。
そんな経験があります。
私が彼を怖がらせてしまったのです。
ご依頼の売却物件には何ら訳ありの要素はありませんでしたが、お住まいのご自宅
が言うなれば訳あり物件予備軍でした。
前述のような家族内での殺傷事件等が起こらないよう、柔らかな継続した関わりをもちつつ
不動産の売却のお手伝いを手掛けています。
その後の息子さんの引きこもりですが週に2回ほど外に出るようになったそうです。