―ハッチ・ワーク社は2000年設立と、不動産テックの中では古くからある一社です。「月極駐車場事業」事業のほかに、貸し会議室をはじめとしたビルディング事業も手がけられていますね。ウエイトとしてはどちらが大きいのでしょうか。
これから伸ばしていこうと力を入れているのは「月極駐車場事業」です。選択と集中で、当社が世の中に対して一番役に立てる分野は何かと考えたときに「月極駐車場事業」であると考えました。
その他の事業が世の中の役に立っていないということではありません。しかし、ソリューションとして伸びしろが大きいのは「at PARKING」です。
また、当社の「at PARKING 月極パートナーシステム」が、この分野で先頭だったことも大きいですね。世の中を変える新しい仕組みをつくっていくこと。これは、自分たちに与えられた使命であると思いました。
月極駐車場というサービス自体は、とても古いビジネスです。空き地があれば車を置いてお金がもらえる。ビジネスとしては非常に古い一方で、全国どこにでもあり、そして必要なものです。しかし、テクノロジーがほとんど入っていなかった空白地帯を見つけたというか、実感しました。
―他にも月極駐車場にフォーカスしたサービスがありますね。そことの違いはどこなのでしょう。
当社もはじめは、ITを使った仕組みだけでなんとかなると思っていました。しかし、管理会社やオーナーは違いました。サービスを導入してもコストが先に発生してしまう。IT的な考えだけでは、ここにつまずくことが多いように思います。
月極駐車場をはじめとした不動産業界は、契約が決まってから利益が発生します。つまり、顧客を連れてきて、そのうえで効率化を図る仕組みを作らなければIT化は難しい。
他社との違いになっている点では、我々は管理会社を収益増加させたいと思って取り組んでいる点です。
また、他社の部分的なオンライン化との違いは、ほぼ完全自動化といえるサービスです。当社を導入した管理会社が半年ほどすると積極的に新規の月極駐車場を開拓している実績です。実際に業務負担の少なさを実感されて、管理業務の拡大が容易になるからです。
―現在、「at PARKING」にはどれぐらいの利用があるのでしょうか。
「at PARKING」のオンライン契約は、2020年3月ぐらいから伸び始め、現状毎月200~300件契約いただいています。
また、「at PARKING」を導入いただく駐車場の台数は、2020年末までに52,000台を見込んでいますが、すでに上振れする可能性が高いですね。
―導入した管理会社にはどのような効果が現れているのでしょうか。
月極パートナーシステムを利用いただいている管理会社をパートナーと呼んでいます。大手から中小まで様々な企業にパートナーになっていただいています。
月極パートナーシステムは、業務効率や利益向上といったメリットを提供できただけではありませんでした。システムを使うことで、新しい月極駐車場の管理受託を開拓しているパートナーが多いことに驚きました。「これだけ管理が楽になるのなら、もっと増やそう」と考えていただくケースが多いようですね。
大和ハウスパーキングでは、2018年に2,000台ほどだった月極駐車場の管理戸数が、現在では5,000台を超えています。月極駐車場を通じて、オーナーと良好な関係を築いているため、今後は土地活用の提案にも繋げていただけるのかもしれませんね。
ポータルサイト「at PARKING」の掲載物件が増えている要因として、パートナーが積極的に新たな月極駐車場を開拓してくださっている部分は大きいです。「at PARKING 月極パートナーシステム」を導入したことで、パートナーのみなさんにおける月極駐車場の位置づけが変わったということだと思います。