2019年9月、GNオーディオジャパン(東京・中央区)は、180度パノラマ画角と4K映像を配信する会議室用ビデオカメラ「Jabra PanaCast(ジャブラ パナキャスト)」を発売することを発表した。価格は10万8000円(税別)。
今回は、記者発表会の様子と、オフィスデザインのトレンド「ハドルルーム」について紹介する(リビンマガジンBiz)。
世界のオフィスで「ハドルルーム」が増えている
固定電話機用、パソコン用、携帯電話など、ヘッドセット市場世界No.1のシェアを誇るGNストア・ノード社(デンマーク)の日本法人であるGNオーディオジャパンが発表した「Jabra PanaCast」は、「ハドルルーム」と呼ばれる小規模会議室でのビデオ会議専用のカメラだ。
アメリカンフットボールチームが、試合中に集まってコミュニケーションを取ることを「ハドル(Huddle=集まる)」と呼ばれるに由来し、オフィスで少人数のスタッフが気軽に集まってミーティングを行うスペースを「ハドルルーム」という。
ハドルルームは、必要に応じて自由に利用できるため、最小限のメンバーでの新商品やサービス構想のブレスト、上司部下の個別面談、1人で集中した作業をするなど、「わざわざ会議室を予約するほどでもないが、少し集まって話したい」といった需要にあわせたオフィススペースだ。
GNオーディオジャパン・安藤靖社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
GNオーディオジャパン・安藤靖社長は「現在、オフィスで行われている会議の8.1%はハドルルームが利用されている。今後はさらに増える見通しだ。2022年までには、ハドルルームでのビデオ会議が13%に達する」と語る。
2018年時点で、全世界のオフィスには3,240万室のハドルルームがあると言われている。2012年の200万室と比べると6年で10倍以上の増加だ。
「通常の業務を行うのは執務室、コラボレーションするのはハドルルームといったように、スペースの目的が分かれていくだろう。これからは、目的に応じたスペースの使い方が重要になってくる。ハドルルームが新しいソリューションを生み出す」(安藤社長)
ハドルルームの増加に比例して、ハドルルームでのビデオ会議シーンも増加する。同社の「Jabra PanaCast」がハドルルーム専用のビデオ会議カメラである1番の特徴は、180度のパノラマ映像だ。
従来のビデオ会議用カメラの画角は72度、広画角なものでも120度が主流だ。会議出席者のメンバー全員を画角に収めるには、カメラから距離を取らなければならなかった。
GNオーディオジャパン・安藤靖社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
「Jabra PanaCast」は3台のカメラが搭載され、それぞれの映像をつなぎ合わせることでシームレスな180度パノラマ映像を移すことが可能なため、180°カメラは壁にベタ付けすることができる。
画像提供=GNオーディオジャパン
同社の試算では、画角72度のカメラに必要な会議スペースは12平米、120度なら10.32平米だった。「Jabra PanaCast」なら8.52平米のスペースで済み、オフィス賃料に換算すると、29%カットすることができるという。
撮影=リビンマガジンBiz編集部
顔認証機能や、カメラに写るホワイトボードの情報をキャプチャーする機能などに加え、SkypeやZoomといった世界的なクラウドソリューションサービスとの連動にも対応している。
安藤社長は、目標販売台数を初年度2,000台、3年で8,000台を掲げる。