撮影=リビンマガジンBiz編集部
PropTech JAPANが主催する「PropTech Startup Conference 2019」が2019年9月20日に開催された。このイベントは不動産テック・建設テックに特化したスタートアップカンファレンスで20社のスタートアップによるピッチ登壇やパネルディスカッションに加え、企業の出展ブースでは新サービスの発表なども行われた。会場で見つけた新サービスについて紹介する。
「物件会議」5,000社以上の不動産事業と繋がるプラットフォーム
物件会議・俵淳取締役(左)、石川倉三社長(右) 撮影=リビンマガジンBiz編集部
物件会議(名古屋市中区)が提供する「物件会議」は、不動産事業者と法人が繋がるプラットフォームサービスだ。
例えば、店舗用の物件を探している飲食チェーンが、「物件会議」内で希望する情報を掲載すると、不動産事業者が、希望に合った物件を紹介し、商談を進めるというものだ。成約課金型のサービスで、不動産事業者は売買なら物件価格の1.2%、賃貸なら賃料の40%を支払う。現在、全国5,000社以上の不動産事業者が登録している。
同社・石川倉三社長は「今後は関東や関西にも拠点を増やし、事業を拡大していきたい」と語った。
GA technologies AIが図面を読み取る「BLUEPRINT」を無料提供
GA technologies・AI戦略室 稲本浩久ゼネラルマネージャー(左) 撮影=リビンマガジンBiz編集部
GA technologies(東京・港区)のブースでは、AIが間取り図面を自動でCAD化する「BLUEPRINT by RENOSY」が公開されていた。
AI-OCR技術(AIによる学習によって紙や手書き情報を読み取る技術)を使ったサービスで、図面データをフォームからアップロードするだけでCADデータが作られるというものだ。同社が力を入れるリノベーション事業などでも活用されている。
現在テストユーザーを募集しており、無料で利用することができる。
サービス責任者の同社・AI戦略室 稲本浩久ゼネラルマネージャーは「リノベーション業界だけではなく、オフィスのデザイン用としても需要があると感じている。現在は、図面読み取りの精度はまだ80%程度だが、皆さんに利用していただくことで、ディープラーニングの効果が進んでいく。もっとサービスを向上させていきたい」と展望を語った。
EQON、72万件の取引データからPinRichを発表
EQON・三井將義社長 撮影=リビンマガジンBiz編集部
EQON(東京・渋谷区)は、価格相場推定サービス「PinRich」のリリースを予定している。関東で行われた72万件にものぼる売買取引データを使い、不動産相場を「見える化」する。
同社は、不動産エージェントのマッチングサービス「EGENT」を提供しており、登録しているエージェントは1,000人を超える。「PinRich」による不動産相場の把握と、「EGENT」の不動産エージェントを紹介で、ユーザーが高く、手間なく不動産売却できる世界を目指す。
同社・三井將義社長は、「『PinRich』は不動産事業者が利用する査定書システムをエンドユーザー向けに提供するようなイメージです」と語る。当然、不動産事業者も利用することができる。同社はピッチにも登壇し、スポンサー特別賞を受賞した。
smooth(スムーズ)賃貸の初期費用を分割支払いサービス
smooth・小泉拓社長 撮影=リビンマガジンBiz編集部
smooth(東京・渋谷区)は、賃貸入居にかかる初期費用を無利子・無手数料で分割支払いできるサービス「スムーズ」を準備しており、2019年冬にも提供を始める予定だ。
同社・小泉拓社長はピッチに登壇し「引っ越しは人生を豊かにする。しかし、これまでは初期費用が発生し、引っ越しをする度に貧乏になってしまっていた。『スムーズ』によって初期費用を分割支払できれば、すぐに引っ越しすることができる」とサービスの開発動機を述べる。
無利子・無手数料でサービスを提供できる理由は、「スムーズ」が不動産事業者に対して集客サービスとして利用され、紹介料が支払われるからだ。初期費用を分割支払いしたい顧客を集客し、提携している賃貸仲介事業者に顧客を紹介する。紹介した仲介事業者で引っ越しが決まった場合に、無利子・無手数料で分割支払いすることができる。仲介事業者にとっても成約時のみに紹介料が発生する成果報酬型のサービスだ。
現在サービスリリースに向けて、事前登録を受け付けている。