―toB向けの「オーナーズガーデンpro」だけではなく、toCに向けたサービスもリリースするそうですね。
オーナーやエンド顧客といったtoCに使っていただく「オーナーズガーデン」のリリースも予定しています。これは、不動産に必要な情報をワンストップで得られ、ユーザーの不動産リテラシーの向上を目的としたプラットフォームです。
一般消費者は、不動産に関する情報格差があり、不動産リテラシーが低いと言われています。それは、不動産に関する情報を取得するためには、各不動産会社の営業社員に依存しなければならないからです。しかし、営業社員からの情報は、的確な情報だけではありません。得た情報を自ら吸い出し、行動な取捨選択能力がなければ、正確な情報を得ることができません。
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が定期的に発表しているアンケートでは、ポータルサイトを利用するユーザーが物件を選ぶ際の判断基準として、写真の点数の多さや綺麗さを重要視しているとい発表されています。
でも、これは良いことなのでしょうか。
不動産売買に関しても、自ら良い営業社員を見つけれるか、もしくは自ら不動産の知識を付けなければなりません。しかし、一朝一夕の知識では不動産会社に太刀打ちできません。
「オーナーズガーデン」は、顧客が自立して情報を収集し、不動産担当者と繋がることができるツールです。自身の目的に合った不動産会社の検索や最新の不動産ニュース、不動産全般のQ&Aなどの実装を予定しています。また、今はまだ多くを説明できないのですが、資産管理やレポートを簡単にできる機能も加わる予定です。
―不動産経験者が、不動産テック事業をはじめる。不動産業界に対して感じる課題などはあるのでしょうか。
私が不動産業界で営業を経験して、この15年でテクノロジーによって1番変わったのは、Google MAPができたことだと思っています。パソコン上で建物の外観が見られるようになったことは大きかったですね。それ以外に変わったことはありません。
「オーナーズガーデンpro」を成功させる鍵は、私たちが不動産事業を行わないことだと思っています。スター・アセットマネジメントは、2018年12月にクローズしました。様々な不動産会社に利用いただくことで成り立つサービスの運営会社が、不動産事業を行っていると、公平中立性を欠きます。また、業界からの信頼を得るとは難しいでしょう。
不動産業界は、暗黙の了解や属人的で排他的な業界です。IT化するには拒絶反応があり、サービスを作り上げるためには注意しなければなりません。
また、サービスをどう広げていくかを考えていて気付いたことがあります。不動産業界にはインフルエンサーと呼ばれるような存在がいないのです。ファッションや飲食といった業界にはいますよね。例えば、大手不動産会社の社長の名前すら知りません。でも大手不動産の営業担当の方は何人も知っています。それほど属人性が強くて、その分だけ個々のプライドが高い。
これは、不動産業界独特の文化だと思っています。
―今後の展望はありますか。
まずは、リリースして1年で1,000アカウントを目指しています。
そのためには、「オーナーズガーデンpro」使ってもらった不動産会社が、知り合いに「これ良かったよ」と紹介してもらう1点だと思っています。
まずは、便利なサービスであることを、皆さんに知ってもらいたいと思っています。