遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。これまでの商慣習や仕組みが変わり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。
今回は、IoT機器とホームセキュリティサービス「leafee」を提供する、Strobo(東京・文京区)・業天亮人社長に話を聞いた。(リビンマガジンBiz編集部)
Strobo・業天亮人社長 撮影=リビンマガジンBiz
―サービスの概要を教えてください。
当社が提供している「leafee(リーフィー)」は、工事不要でリーズナブルな価格のホームセキュリティです。
2016年から提供を開始している「leafee mag(リーフィーマグ)」はマグネットセンサー型のIoT製品です。機器を窓やドアに貼るだけで、アプリを通じて家中の戸締まり状況の一括確認や開閉履歴などを確認することができます。2017年からは月額のホームセキュリティサービスとして提供しています。
「leafee」画像=Strobo提供
2019年7月、複数の「leafee mag」をBluetoothやWi-Fiを介して一括で利用できるゲートウェイ「leafee hub(リーフィーハブ)」をリリースし、2018年12月には第2世代としてセンサーが異常を検知した際にブザーで警告するスマートブザー機能を搭載しました。
2019年7月にリリースした「leafee hub」は人感センサーで、人の動きを感知することで、空き巣やストーカーの侵入を検知することや、見守りなどにも活用ができるサービスです。
ホームセキュリティといえば、セコムやALSOKといった大手企業をご存知だと思います。現在ホームセキュリティサービスは、日本で約200万世帯に普及しています。これを多いと考えますか、少ないと考えますか。どうでしょう?
私は少ないと思います。5,000万世帯ある日本全体の2~3%にしか利用されていません。しかも、導入時の工事、高い初期費用や月々の費用が必要になります。サービスの対象となるのは、戸建てや家族世帯、最近では新築のマンションに標準で機器が入っているケースなどです。持ち家をメインターゲットにして、増えています。
しかし、ここ数十年で、女性の大学進学や就職、一人暮らしなど、ライフスタイルが変化しました。学生の一人暮らしや、結婚したばかりの方々はほとんど賃貸物件に住みます。こういった賃貸物件でも防犯のニーズはあるのに、セコムやALSOKを導入できません。
費用に加えて、利用するには5年以上の契約の縛りがあるサービスがほとんどで、あくまで持ち家に向けたものになっています。
そこで「leafee」は、契約の縛りがなく、いつでも解約できる設計にしています。「まずは使ってみる」ことができるサービスなのです。
申し込みやすく、設置も簡単であり、やめることもできる。入口と出口のハードルを下げることでホームセキュリティの普及率を高め、最終的には20~30%の世帯に普及させることができるのではないか、という仮説を持って取り組んでいます。
―賃貸物件でも簡単に利用できるホームセキュリティサービスというのは面白いですね。「leafee」の導入台数はどれぐらいですか。
これまでに10,000台以上導入いただいています。
導入している物件の種類としては、戸建てとマンションで3:7ぐらいですね。
戸建ての方も多く、複数台購入いただくことが多いです。
基本的には個人の方ですが、介護施設や事務所の防犯などに活用いただくケースも増えています。
また、2018年11月からは管理会社に向けて「leafee for 賃貸」を本格的に提供しています。これは入居者アプリがメインのサービスです。現在、10社に利用いただいています。
入居者に向けたお知らせ配信や、近隣のイベント通知、管理会社の副次的なビジネスに繋がるような案内や、契約の更新通知などに活用いただいています。当然「leafee」との連動も可能で、入居者の防犯にも利用いただいています。
「leafee」を付帯商品として取り扱いたいといった不動産会社からの引き合いも多いですね。