Gate.の表示画面(画像=リーウェイズ)
―導入企業からはどういった効果があると言っていますか。
銀行では審査やプライベートバンク部門で使ってもらっています。
不動産デベロッパーでも利用があり、新しい建物を建てるときのプランニングや、仲介の現場でもお客さんの前で画面を見せて提案しているようです。管理会社も賃料の査定に使っていただいています。
特に何万件もの物件がある管理会社では、更新時の賃料査定が膨大です。オーナーとの賃料交渉も必要です。賃料交渉の際は『Gate.』のデータが有力な根拠になるのです。
ある大手不動産会社では、『Gate.』を導入したことで、問い合わせが4.5倍になったという話を聞きました。金融機関でも、年内の目標登録ユーザー数が導入して1カ月で達成したという声も届いています。
―今後の目標は何ですか。
『Gate.』の横展開を考えています。
今は賃貸住宅しか利用できませんが、これのオフィス版を作ろうと思ってチャレンジしています。
そうなれば、ファンドやリートにもサービスを提供できるようになります。投資不動産の分野で横軸分析ができるサービスになる。レジデンスがいいのか、オフィスがいいのかを平行して考えることができます。
私はよく非難されるツーブロックゴリラ(※)とか、実は大好きなんです。
(不動産投資営業マンを指す俗語。投資用不動産販売会社の社員には、なぜかサイドを借り上げて、日焼けした男性が多いことから生まれた言葉)
たたき上げて成り上がろうというエネルギーがある。私も新聞配達から始めた人間ですから、そういうエネルギーの必要性をよく知っています。でも、もったいないと思うのは、彼らって疲弊するんです。若いうちはガンガンお金稼ぎたいから電話営業でも訪問でも何でもするんですけれども、30代になって管理職になると、もう疲れちゃうんです。
「投資不動産疲れたから、他の業界行くわ」と転職して、キャリアがリセットされてしまう。これがもったいないですよね。そういう人が継続的に成長できるスキームがあれば、もっと高額な商品を取り扱うことができたり、海外を視野に入れたビジネスができたりすればもっと成長することができる。
ところが、ごり押しや気合い、度胸とはったりで営業する武器しかないから伸びないんです。その人たちがデータでできた武器を持てばどうなるんでしょう。彼らの持つポテンシャルを有効活用したいというのはありますよね。
不動産営業は本当はプロのコンサルタントになるべきなんです。
データの分析などは人工知能に取って代わりますが、不動産コンサルタントは今後も間違いなく必要なんです。
―確かに、今後不動産にはコンサルが必要になるという話は聞きます。では具体的にどういったことなのでしょうか。
コンサルとは何かというと、「ソリューションを出す」ということです。
お客さんにとっての解決策をだすのがコンサルの役目なんです。
解決策って何かというと、選択肢がある、選択肢を比較できるということです。
選択肢がない中でやっているのはコンサルトとは言えません。
「うちのマンションは、他の商品より絶対優れてますから」というのはコンサルじゃないんです。
リーウェイズ・巻口成憲社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
―『Gate.』を使えば、ツーブロックゴリラがプロフェッショナル・コンサルタントに進化する。まさに成功へのゲートをくぐるということですね。
別にそういうことで名付けたわけではないんですけど(笑)でも、不動産投資の世界を進化させるという意味では、それもいいかな。