Zens・町田龍馬社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
―運営代行を軸にしながら、周辺のサービスを拡張しているのですね。
『Zens App』は、『Zens Work』という民泊のタスクシェアリングサービスとも連携しています。
UberEATSの民泊タスク版と言えば分かりやすいでしょうか。清掃業者や個人に登録してもらっています。
Airbnbから予約が入った瞬間に『Zens App』でチェックアウト時の清掃タスクが作られ、物件にひも付いた『Zens Work』に登録しているスタッフに通知され、作業が完了するとスマホの写真を投稿して完了報告して、経費精算するといった一連のフローが完了できます。
―外国人観光客の利用も多いと思います。
サービスやアプリは全て多言語に対応しています。
実は宿泊ゲストだけではなく、『Zens Work』にも外国人の清掃スタッフも多いです。サービス産業は、外国人の労働者がいないと全く人手が足りない状況です。外国人スタッフにも働いてもらえるように、他言語に対応したアプリ開発はとても重要です。もっと改善していく予定です。
―政府も外国人労働者の受け入れや観光客の増加を目指していますからね。民泊市場は重要です。
民泊に5年半関わっていますが、外国人ゲストにとっての民泊はホテルより安いというだけの存在ではありません。
「ホテルと違う体験ができる」「長期滞在で洗濯機やキッチンを使える」「住宅街に泊まれる」なども魅力と感じる方が多いです。民泊があるから日本に旅行に来るという人もいるはずです、そういった意味では日本のGDPに関わってくるほどインパクトがあることです。
―民泊への逆風も強いですね。
そうですね。もちろん、何でも増やせば良いというわけではありません。
クレーム対応や、ゴミの適切な処理などオペレーションの整備が必要です。
そういった課題から目をそらさずに、『Zens Work』を改善させながら、民泊普及のためのプラットフォームになれることを目指しています。
Zens・町田龍馬社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
―オペレーションが洗練されれば懸念されている問題はなくなりすか。
当社のアプリには民泊代行をする中で必要だと感じた機能をどんどん追加しています。
例えば、宿泊予約者とのメッセージにしても、必ず送るべき内容をテンプレートにしています。ウェルカムガイドもワンクリックでテンプレートが入り、予約者の名前も自動で入力されています。こうした基本的な事項は多言語に対応しています。
こういったコンテンツ作成の部分に力を入れなければ、物件までの道に迷う、周辺の住民にも不必要な不安感を与えてしまいますし、宿泊者のレビューも悪くなります。結果的に売上にも影響を与えます。
民泊の運営代行のキモは、準備と運営を素早くかつ正確に行えるソフトウェアなんです。それも、当社のように運営代行をやる事業者が自ら作っていることが重要です。ツールだけを提供している企業では気づかないような小さなポイントがたくさんありますから。
―『Zens App』はこれまでに、どれぐらい機能追加したのですか。
毎週、機能追加しており、スクラムという開発手法を使っています。
開発チームはエンジニアが8名、プロダクトマネージャーが3名、QAエンジニア(品質保証)が2名の、13名体制です。
私が、3つのチームと、毎週ミーティングを行い、今週追加する機能とその前の週に追加した機能のレビューを繰り返しています。
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