teritoru・日置愛社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
―5月にβ版をリリースされて、業界に感じる課題などはありますか。
特に思うことはなくなりました。
なぜなら、業界が今の姿勢を貫いているのは、「儲かるから」ですよね。つまり、儲かる=お金を落とす消費者がいるから業界はこのままなんです。
よく、「不動産業界に対してどう思うか」を聞かれるのですが、業界を作っているのは消費者だと思っています。つまり、業界を変えるのも消費者だと思っていますなんです。不動産業界に限らず全ての業界がそうだと思っています思っているんですけど。
その中で課題と思っている感じていることは、「賃貸は2年の契約でなければいけない」「売買はこのルールじゃなければいけない」という消費者のマインドです。不動産に対して「こうじゃなきゃいけない」という思いが強すぎたから、業界は変わらなかったのだと思っています考えています。
でも、民泊やシェアの概念が出てきたことで「あれ?」と新しい角度から見ることに気づいた人が徐々に出てきた。だから今、業界が揺らいでいるのだと思います。
よく「仲介がなくなる」と言われてますが、あれは結局今まで不動産仲介が発生していることに対して疑問を抱かない人がほとんどだったから、それで生計を立てていた人が続いていた。
そこに疑問を持つ人が増えてくれば、違うビジネスのかたちに変化せざるを得ません。だから、消費者マインドが変わることが一番なんじゃないなのではないかかなと思いっています。
変わることが良い悪いではなくて、全てのことに対して、疑問を持てるような人が増える。与えられたことを鵜呑みにするのではなくて。
―teritoruが理念として掲げている「あたりまえの再定義」ということに繋がっていきますね。
あたりまえは存在しないので、そこを変えるのは会社でも業界でもなくて、会社や業界を支持する消費者のマインドが全てだと思っています。
―今後の目標とは何なのでしょうか。
私たちの目標は、「もっと行動する人が増える」ということです。
『weeeks』が短期間のサービスに絞ったのも、短期間にすることで場所を変えるハードルを下げたと思っていまするためです。なので、環境を変えるハードルを下げる事で、人がもっと加速して動いていく社会になったらいいなと。環境を変えるハードルを下げて、人がもっと加速して動いていく社会を作りたいと思っています。
その中で、人とのタッチポイントって、ルームシェアという形をとらなくても良いと考えています。
『weeeks』というサービスで攻めていきながらも、例えば東京では1Rの空室が高いのですが、そこと合体させて、一人で住みたいときは1Rに住んで、ルームシェアしたいときは『weeeks』、といった定住先を持ちつつも、もっと気軽に複数拠点を持てるような環境を今後は作って行きたいなと考えています。作りたいと思っています。
また、現在は運営側が『weeeks』の企画を立てていますが、今後はオーナーや管理会社が企画を立てたり、プログラミングなどのスキルアップ系のサービスを提供している会社と提携して企画を打ち出していったりもしたいと考えていますですね。
―もっとユーザーを増やしていきたいといったものはないのでしょうか。
そこには葛藤があります。
『weeeks』は、お金や広告費をかけていきなり広めていくことは、むしろ危険だと思っています。
今は、ある程度共通項に興味がある人が集まっています。そこを、コンバージョンを追うような形にしてしまうと、質の悪いコミュニティができてしまって満足度が下がってしまうと思うからです。今も本人確認の部分は厳重に行っていて、広告も打たず今後もやることはありません。そういったブランディングに気を遣いながらやっていく予定です。
「人が動いて、一人ひとりが人生の時間に色を付けていくようなサービス」になればと考えています。