コンコアーズ・中島貴春社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
―中島社長は大手ゼネコン出身ですね。『Photoruction』はその時に現場で感じた様々な課題を解決するために作ったのでしょうか。
そうですね。
ひとつは、これだけアナログな課題がある業界なのに、それを解決する適切なソリューションがこれまでなかったことがあります。
もうひとつは、タイミングが大きいです。実は、建設業界全体がクラウドモバイルにシフトし始めています。2012年頃に大林組が全社的にiPadを導入して、そこからドミノ倒し的に業界でのiPadの導入が進みました。
iPadが入るとクラウドサービスの需要が高まってきます。そうなると既存システムのほころびが見えてきて、「これはiPadで見られないのか」「既存のサーバーだと、iPadで見られないぞ」と言った意見が出てきました。このようにモバイルシフトが急速に進んでいる業界であることも『Photoruction』を作った理由です。
こういった背景には、建設業界の好景気があります。やはりオリンピック特需などを受けて、こういったシステムに投資する会社が増えてきていると感じています。
―今後の目標はあるのでしょうか。
我々が持っているビジョンとして「インターネットを最適化した新しい生産の仕組み」を作りたいという思いがあります。
今は施工管理者向け・工事現場向けにソリューションを提供しているのですが、本来建設のバリューチェーンというのは、入り口から出口まであります。設計して、調達して、工事して、維持管理して、と繋がっているのです。
コンコアーズ・中島貴春社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
『Photoruction』も、もっと手前に入っていくようなソリューションを作ることが目標です。もっと設計寄り、調達寄りの機能やサービスを作ってシームレスに繋ぐ、と言うようなことが当面の目標ですね。
また、建設だけではなくて、不動産業界にも利用できるのではないかとも考えています。物件管理のニーズや、情報の持ち方など、『Photoruction』をうまくカスタマイズすれば、売買仲介会社などにも使っていただけそうな領域ってあるんじゃないかと思っています。
そういった意見などをもらえる企業があればありがたいですね。