ecbo・工藤慎一社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
―『ecbo cloak』によって、店舗に新しい機能が追加される一方で、オペレーションが煩雑になるなどの問題点はないのでしょうか。
『ecbo cloak』では、ユーザーの荷物をスマホで撮影し、アップロードして荷物を預かるだけで、オペレーションが完了します。本業で忙しい店舗でもスムーズに対応ができます。
また、店舗様には、ecbo cloakを導入する前に必ずデモを実施し、荷物の預かりから返却までの流れを実際に体験して確認していただくようにしています。
―『ecbo cloak』を構想していたときと、実際にサービスをはじめてからで、当初考えていたこととのギャップを感じることはありますか。
実は大体想定できていたので、あらかじめ備えることができました。
例えば、荷物を間違えて引き渡すといった心配ですね。これはオペレーションをできるだけ簡略化することで対応できました。現段階で間違えが発生したことはありません。
あと、よく言われるのですが、テロに活用されるのではないかという懸念。もちろん起きていませんし、今後も起こりえないと考えています。
その理由としては、『ecbo cloak』を使うにはクレジットカード、メールアドレス、電話番号といった個人情報の登録が必須です。匿名性の高いコインロッカーに比べてセキュリティのハードルは高いのです。
良いギャップで言うと、サービス開始当初は荷物の預かりのニーズは1日単位でしか想定していませんでしたが、蓋を開けてみると複数日にわたって預けたい人がかなりいるんです。これは、実際に運営していく上で見えてきたことです。
あとは、スーツケースだけでなく、コインロッカーに預けられないような荷物も預かっていることです。楽器や折りたたみ自転車、スキー板、ベビーカーといった、これまでコインロッカーでは大きさ的に預けることのできなかった物も預けられるという点も喜ばれています。
―最大で何日間預けられるのですか?
店舗によって異なるのですが最大20日間ですね。
―登録されている店舗の利用データは残しているのですか。
もちろん残しています。どの地域でどれぐらい利用されているのか、といったデータも蓄積しています。
―アパマンショップとの提携という発表がありました。これは、アパマンショップの顧客であるオーナーや大家にもサービスを広げていきたいという狙いもあったのでしょうか。
我々のサービスは基本的にBtoCのサービスです。
営業時間があることと、その間人が常駐していることが条件になります。なので、一般の住居は登録できません。荷物預かりのオペレーションの点で、一般の住居になると人が常駐するとは限らないからです。店舗であれば営業時間があり、その時間内であれば荷物の預かりや引き渡しが可能です。
―他にも導入のための条件はあるのでしょうか。
衛生面やセキュリティ面に問題がないか、風営法に引っかかってないか、といった部分ですね。例えばラブホテルなどは登録できません。『ecbo cloak』の利用者が誰でも入店できる店舗でなければいけません。