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『スマサポキーボックス』は自動で開閉する仕組みだ(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

―2017年の年末にリリースされてから、不動産会社の反応はどうでしょうか。

管理している一部の建物で運用してみようという管理会社が増えています。そして、現場が運用に慣れたタイミングで、設置を広げていきたいと考えられていますね。全国で60社ほどに利用いただいています。

―管理会社にも理解を得られているということですね。

管理会社は、新しい仕組みを取り入れることに積極的ではありません。うまくいかなければ、入居者やオーナー様などへの影響が避けられないからです。しかし、スマサポ内覧システムは業務効率化だけではなく、鍵の紛失といったリスクの抑止にもつながる。その点のメリットを十分に理解いただいているのだと思います。

ダイヤル式のキーボックスの場合や、オートロックのナンバーなどが覚えられたり、メモされたりしてしまうと一気にリスクが高まります。いくら日本が平和だと言われていても、鍵の紛失は重大な責任問題です。そういった危機感を持たれている会社は導入への意欲が高いです。なかには実際に犯罪に使われたことがあり、こういったサービスを待っていた管理会社もありました。

―仲介会社からの反応はどうでしょうか。

仲介会社からしても、鍵の受け渡しは手間で効率がわるい。さらに、社員が鍵を紛失するリスクもある。仲介会社からは、「是非、広めて欲しい」という話をいただいています。仲介会社は無料で登録していただくことができますので、どんどん登録を促しています。

管理会社側からしても、管理システムの利用料はかなり安い値段に設定しています。

広く普及させるための料金設定です。

何度も言いますが、我々はキーボックスを売りたいわけではありません。内覧システムを広めることが目的です。『スマサポキーボックス』を購入しなくても、システムを利用することで、鍵の置き場所やダイヤルキーの番号を、アプリを通じて仲介会社に知らせることができます。また、ログも残せる。それだけでも効率化につながります。内覧の予約などもアプリによって行うことができ、物件案内時の電話のやりとりを削減できます。

今後は『スマサポ内覧システム』と、他社のデバイスをつなげることも考えています。他社との協業もウェルカムなんです。スマートロックは他社がどんどん開発しています。そこと競争するつもりはなく、様々なサービスを繋ぐ導線を作りたいと思っています。

―導入企業は、実際にどのように活用しているのでしょうか。

少なく見積もっても、1回の仲介契約にいたるまでの時間のうち仲介側は2時間の削減、管理会社が1時間の削減になっています。電話で内覧の予約をし、物理的に鍵を取りに行って、それを返しに行くといった業務がなくなりますから、時間の削減効果はあります。

これは、管理会社の営業ツールとしても使えるんです。

システムの管理画面ではあらゆるデータが蓄積されていく(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

『スマサポ内覧システム』には解錠のログが残るため、データの解析ができます。「この物件にはどの仲介会社さんがよくやってくれている」といった事が分かり、特定の物件に空きが出た場合、その会社に集中して営業をかけることも戦略的にできます。そうすると、仲介会社と強い関係の構築も築くことができますよね。

もう一方で、『スマサポ内覧システム』のログを活用して、オーナー様にも物件の人気や、入居者が付かないことへの実態報告とその情報を基に対策提案も行うことができます。

また、デベロッパーの賃料分析としても活用することも可能です。新築時に、間取りごとの客付けのスピードを分析して、「本当はもう少し高く貸せたのではないか」といったことを考えることができます。エリア毎の人気の間取りを知ることで投資効率を上げることが出来ますよね。

例えば賃料を1,000円高く貸せたという実績があると、販売価格で戸当たり30万円変わってきます。

>>次のページ:今後、IT化が遅れる管理会社は淘汰される!?(3ページ目)

 
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