住宅建設業界 従業員一人あたり売上高ランキング2024

上場住宅建設業種31社（※）につき、2024年8月時点での従業員一人当たりの売上高を高い順にランキングしました。従業員一人当たり売上高は、売上高を従業員数で割ることで算出する数値で、高い数値の場合は従業員の生産性の高さや、効率的な人材活用がなされていることを表します。2023年の前回調査と比べて従業員一人当たりの売上高が増加した企業もご紹介します。（リビンマガジンBiz編集部）

※注＝編集部基準

画像=写真AC

集計方法

• 2023年9月期から2024年8月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計
• 売上高を従業員数で割って算出
• 従業員数は正規従業員のみを集計
• 連結決算の場合は連結の数値を記載
• 「一人当たり売上高増加率(％)」は、前回調査(2022年8月期～2023年7月期が対象)で集計した従業員一人当たり売上高の数値と比較し、増減を％で表示

一人当たり売上高が2億円を超える会社はオープンハウスGの1社のみ

1位はオープンハウスグループで、売上高1兆1,484億8,400万円に対し、従業員数は4,904名、従業員一人当たり売上高は2億3,400万円でした。同社は1997年創業、新築戸建住宅の仲介・分譲・建築請負のほか、新築マンション開発や分譲、収益不動産の取得・運用・販売などを行っています。

オープンハウスGは前回調査に引き続き、ランキング対象企業の中で唯一2億円を超えました。業界売上高1位の大和ハウスが11位、業界第2位の積水ハウスが12位ですから、人を多く雇う住宅メーカーは従業員一人当たり売上高を高めにくいことが窺えます。その中でオープンハウスGの高い生産性は、急成長の原動力となっていると考えられます。

2位はファーストコーポレーションで、売上高284億8,500万円に対し、従業員数は182名で、従業員一人当たり売上高は1億5,700万円となりました。同社は主に分譲マンションの建設やマンションのデベロッパーへの事業化提案を行っています。

3位はフジ住宅で、売上高1,203億8,500万円に対し、従業員数は852名で、従業員一人当たり売上高は1億4,100万円となりました。同社は大阪を中心に分譲住宅事業などを展開しています。今回の従業員一人当たり売上高は前回調査と変わっておらず、同社が業界屈指の高い生産性を堅調に維持している様子がわかります。

住宅建設業　従業員一人当たり売上高増加率 TOP10

従業員一人当たり売上高の増加率が、2023年の前回調査と比べて高かった企業第1位はRobot Home（141％）、2位はサンヨーホームズ(116%)、3位はエムビーエス(115%)でした。

Robot Homeは旧社名TATERU時代の2018年、顧客の融資資料を改ざんして金融機関に提出していた不祥事で業績を落としましたが、近年は業績が回復傾向にあり、それが従業員一人当たり売上高の増加率にも反映されたと考えられます。

それ以外に大きく従業員一人当たり売上高が増加した住宅メーカーはなく、市場規模の減少や資材価格の高騰などにより、生産性を伸ばしにくい状況が背景にあると考えられます。

住宅建設業 従業員一人あたり売上高ランキング11位～31位