住宅建設業界 平均勤続年数ランキング 2024年

上場住宅メーカー31社（※）を、従業員の平均勤続年数が長い順にランキングして紹介します。勤続年数が長い企業はそれだけ働きやすく、従業員が良いパフォーマンスを発揮できると考えられます。トップ5位は全て平均勤続年数が15年以上となり、売上高上位企業もランクインする結果となりました。（リビンマガジンBiz編集部）

※注＝編集部基準

画像=写真AC

集計方法

• 2023年7月期から2024年6月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
• 会社単独の数値を集計
• 従業員数に臨時従業員数は含まない

1位は長谷工コーポレーション　6社が平均勤続年数15年以上

1位は長谷工コーポレーションで、従業員2,447名の平均勤続年数は16.8年、従業員の平均年齢は40.8歳となりました。同社はマンションを中心とした多様な事業を展開しており、新築マンションの施工累計は70万戸を超えます。その他の事業としては、戸建住宅やマンションの大規模修繕、インテリア販売などがあります。

同社は2022年に「長谷工グループ人権方針」を策定、グループ内での浸透を図るとともに、社内の人権配慮状況の調査を実施しています。こうした企業努力もあって、2千名を超える大企業でありながら、働きやすい環境を維持していると考えられます。

2位はサンヨーホームズで、従業員340名の平均勤続年数は16.6年です。同社は主に住宅とマンションの二つの事業を中核としつつ、リフォームや土地活用、ハウスクリーニングなどの暮らしサポート事業等も行っています。

同社は新卒採用において、カーペンタースクール（現場技能員の養成）や、小規模・企業主導型保育の拡大など、少子高齢化や人口減少、女性活躍社会に対応した働きやすさ重視の職場環境をアピールしており、勤続年数の長さからもそうした取り組みが成功していることが窺えます。

3位は積水ハウスで、従業員15,327名の平均勤続年数は16.5年でした。平均年齢は43.8年です。積水ハウスは住宅メーカー売上高2位の大企業で、大空間リビング「ファミリー スイート」を備える戸建住宅など、“「わが家」を世界一幸せな場所にする ”というグローバルビジョンに即した家づくりを行っています。

同社は根本哲学に「人間愛」掲げ、従業員が自分らしく働き、能力を最大限に発揮できる環境や制度づくりを推進するとしています。終身雇用が崩壊した日本社会で1万5千名を超える従業員を長年にわたって雇用する実態を見るに、その企業理念には説得力を感じます。

調査対象とした31社の全体の平均勤続年数は約9.4年で、平均勤続年数が10年を超えている企業は12社でした。4位に業界売上高第3位の住友林業、5位に業界売上高第1位の大和ハウス工業がランクインし、売上高上位企業の勤続年数の長さが目立ちます。住宅建設業界においては、長く安定して働ける環境の創出と、長く住める良い家づくりとが相互に関連しているのかもしれません。