不動産業界　役員報酬ランキング2024

上場している不動産企業123社（※）のうち、1億円以上の役員報酬を受け取っている役員について、金額が高い順にランキングしました。役員報酬の高さは、企業規模の大きさや事業の好調さ、成長の勢いを推し量る材料になります。（リビンマガジンBiz編集部）

※注＝編集部基準

画像=PIXTA

集計方法

• 2024年1月期までの最新の有価証券報告書を元に集計

1位はオープンハウスG　2億円以上の報酬を受け取っている役員は10人

1位はオープンハウスグループの荒井正昭代表取締役社長で、連結報酬等の総額は5億7,300万円でした。同社は都心部で手の届く価格の一戸建て住宅を供給する、製販一体型の事業運営を行っています。

1997年9月創業、平成スタートの若い企業のトップが業界第1位の報酬を獲得しています。オープンハウスGからは他にも、鎌田和彦取締役副社長が2億6,900万円で6位、若旅孝太郎専務取締役が2億1,700万円で9位に入っています。

2位が三井不動産の菰田正信代表取締役社長で、報酬総額は3億2,300万円でした。三井不動産は不動産業界売上高1位の財閥系大手デベロッパーで、海外にも積極的に進出しており、その事業分野はビルや商業施設の賃貸のほか、住宅分譲、ホテル・リゾート事業など多岐にわたります。

特筆すべきは1億円以上を受け取っている役員の多さで、菰田社長以外にも岩沙弘道代表取締役会長が2億8,100万円で4位、合計8名の役員が1億円以上の報酬を受け取っています。

3位はヒューリックの西浦三郎代表取締役会長で、報酬総額は2億9,600万円でした。同社は東京23区の駅近物件を活用した不動産賃貸を主軸とし、他にも保険事業やホテル・旅館事業を運営しています。1957年3月に創業、長らく日本橋興業との社名を用いていましたが、2007年1月から社名をヒューリックに改めています。

ヒューリックも西浦会長のほか、前田隆也代表取締役社長が2億７,900万円で5位にランクイン、合計5名の役員が1億円以上の報酬を受け取っています。

調査した123社のうち、1億円以上の報酬を役員に支払っている会社は23社で、1億円以上を受け取っている役員は合計45人となりました。

1億円以上の報酬を受け取る役員が複数いる企業としては、三井不動産が8名、ついでヒューリックが5名となり、以下、オープンハウスG、住友不動産、野村不動産ホールディングス、三菱地所の4社が3名と続きます。デフレマインドからの脱却と従業員の賃金上昇が叫ばれる中、業績好調な大企業の役員報酬は今後も増えていくことが予想されます。