不動産関連サービス業　社員増加数　ランキング2022

不動産関連サービス業　社員増加数　ランキング2022

上場している不動産関連のサービス業種20社（※）を対象に、5年前よりも正規従業員数が大きく増加している企業をランキングしました。2020年以降、コロナ禍で社会は大きな変革期を迎えましたが、この間にも着実に事業規模を拡大して社員数を増加した企業についてまとめました。あわせて、正社員数の増加率が高い企業にも触れます。（リビンマガジンBiz編集部）

※注＝編集部基準

集計方法
・「正規従業員数」は、2021年6月期～2022年5月期の各社の有価証券報告書より集計
・「5年前正規従業員数」は、有価証券報告書記載の2016年6月期～2017年5月期時点の正規従業員数を集計
・連結決算の場合は連結数値を採用

画像＝写真AC

5年前より正社員を300人以上増やした企業は3社　1位はリクルートHD

1位はリクルートホールディングスで、正規従業員数は5年前が4万5,688人であったところ、2022年には5万1,757人となり、正社員はグループ全体で6,069人増加しました。リクルートHDは国内大手の求人広告会社で、オンライン求人プラットフォームの運営をメインとしています。他にも、美容、旅行など多様なジャンルの販促事業を手掛け、不動産分野では住宅・不動産売買の情報サイト「SUUMO(スーモ)」を運営しています。

同社はこの5年間、国内外で着実にサービスを展開させ、会社規模を拡大させてきました。
2019年8月には、就職情報サイト「リクナビ」において、学生の「内定辞退率」データを企業に提供したことで行政処分を受けるなどの問題もあり、順調だったわけではありませんが、サービス展開国数60か国以上、従業員数 5万人超の巨大企業に成長しています。

2位はじげんで、5年前の正社員数は254人であったのに対し、2022年には704人となり、正社員は450人増えました。増加率は277％で、今回調査した企業の中でトップとなっています。じげんは、不動産賃貸住宅情報サイト「賃貸スモッカ」、リフォーム会社の情報・見積比較サービス「リショップナビ」、プロパンガス会社の情報・見積比較サービス「エネピ」などを運営しています。

同社もまた、コロナ禍の影響を受け、2021年3月期決算では税引前当期損失を計上するなど、順風満帆ではありませんでした。しかし、2022年3月期には税引前当期利益33億900万円を計上して巻き返しています。従業員数も、最も多かった2021年3月期の772人よりは減らす結果となりましたが、5年前に比べ大きく社員規模を拡大させています。

3位はLIFULLで、5年前正規従業員数は907人であったのに対し、2022年には1,300人と、393人増やしています。同社は不動産・住宅情報の総合サービスサイト「LIFULL　HOME’S」をメイン事業に、「LIFULL 地方創生」や「LIFULL 引越し」など、不動産や生活に関する様々なサービスを取り扱っています。

LIFULLもまた、2021年9月期決算では税引前損失を計上し、厳しい経営状況にありますが、社員数はここ5年、一貫して増えています。

1～3社はいずれもネットメディア事業を展開しており、5年前と比べて、不動産サービス業種ではこの分野の企業規模拡大が顕著であることが分かります。コロナ初期においては、ITに強い企業はコロナ禍に強いとも言われていましたが、今回ご紹介した3社はいずれもコロナ禍の影響を受けており、苦しい状況を乗り越えてのランクインとなりました。

正社員数の増加率が高い企業トップ3は、1位じげん(増加率277％)、2位リビン・テクノロジーズ (増加率193％)、3位アルヒ(増加率168％)でした。3位のアルヒは住宅ローン専門の金融機関ですが、他はいずれもネットメディア事業の会社が占める結果となりました。