住宅建設業界広告宣伝費ランキング2022

住宅建設業界広告宣伝費ランキング2022

上場している住宅メーカーのうち、広告宣伝費を公開している21社（※）につき、広告宣伝費が高い順にランキング形式でご紹介します。あわせて、売上における広告宣伝費割合が高い会社トップ5もランキングしました。コロナ禍で広告宣伝費を抑える企業が多い中でも、広告宣伝に積極的な住宅建設企業を調査しました。（リビンマガジンBiz編集部）

※注＝編集部基準

集計方法
・2021年2月期から2022年1月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
・「広告宣伝費」「販売促進費」のどちらか一方のみが明示されている場合はその数値を採用、両方表示されている場合は広告宣伝費のみを集計
・広告宣伝費・売上高の数値は、原則として100万円未満は切り捨てとしたが、広告宣伝費が100万円未満のケースのみ10万円まで表示した

画像＝写真AC

1位は大和ハウス　広告宣伝費10億円超の企業は昨年と順位移動無し

1位は大和ハウス工業で、広告宣伝費は285億700万円でした。2位は積水ハウスで236億1,600万円、3位は飯田グループホールディングスで134億８,900万円となっており、昨年、一昨年に続き同じ顔ぶれが変わらない順番でランクインしました。この3社までが広告宣伝費100億円以上となっています。

参考サイト
「住宅建設業界広告宣伝費ランキング2021」

上位3社の前年比率を見ると、いずれも前年よりも広告宣伝費を削減しています。このうち、2位の積水ハウスは前年比率99％とほぼ横ばいでしたが、1位大和ハウス工業は前年比87％、3位飯田グループHDは90％と1割以上広告宣伝費を減らしました。「そういえば、最近TVCMを見る機会が減った」と感じる方もいるかもしれません。

広告宣伝費が10億円を超えている8社に関しては、昨年と順位変動はありませんでした。

ちなみに、前年比率で広告宣伝費を最も増やしたのはサンユー建設で、前年が40万円だったところ、今年は400万円となり、前年比は1,000％となっています。サンユー建設は分譲住宅「San Leaf」のほか、不動産や金属製品、ホテル事業などを幅広く手掛けており、建設・不動事業においては、建物の一生を継続サポートする「フルターンキーシステム」をウリにしています。

同社は集計対象とした住宅メーカーの中では、「広告宣伝費の金額」「売上における広告宣伝費の割合」ともに最下位となっています。もともと非常に広告宣伝費が少なかったので、他社並みに広告宣伝費を増やした、と言うことなのでしょう。

売上における広告宣伝費率が高い企業トップ5　1位はナックで5.4%

1位はナックで、広告宣伝費は29億9,000万円、売上における広告宣伝費率は5.4%となりました。前年比率では73％と大きく削減しているものの、広告宣伝費率は昨年の4.6%より上昇しました。ナックは「ACEHOME」や「HUCK」ブランドの住宅フランチャイズを運営しています。また、宅配水「クリクラ」の販売や、モップなどのダストコントロール商品のレンタルなど、幅広い事業を展開しています。

昨年1位だった安江工務店は広告宣伝費3億２,400万円、広告宣伝費率4.7％で2位となっています。

21社全体の広告宣伝費割合の平均は1.7%で、昨年の1.6％より増えましたが、これは売上がコロナ禍により落ち込んだ企業が多かったためと考えられます。今後も、原材料費高騰や物価高、ウクライナ情勢など先の見通せない状況のため、広告宣伝費を抑える傾向は続くことでしょう。