上場不動産会社　役員の平均年齢ランキング 2022

上場不動産会社　役員の平均年齢ランキング

上場不動産会社115社（※）の役員の年齢を集計、平均年齢が若い順にランキングしました。あわせて、三井不動産など、業界大手デベロッパー5社の役員平均年齢についてもまとめました。コロナ禍の長期化により、先の見えない世界情勢が続く中、フレッシュな経営陣で困難を乗り切ろうとしている会社をご紹介します。（リビンマガジン編集部）

※注＝編集部基準

集計方法
・2020年9月期から2021年8月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計
・2021年12月20日時点の役員の満年齢を集計

画像＝写真AC

役員平均年齢40代の不動産会社は4社　1位はテンポイノベーション

1位はテンポイノベーションで、役員の平均年齢は47.11歳となりました。前回の同様の調査の2位から1位へランクアップしています。テンポイノベーションは、飲食店向けの居抜き店舗を活用した転貸借事業を行っています。

参考サイト
「上場不動産会社　役員の平均年齢ランキング　2021」

コロナ禍により、飲食業界全体が減収しているものの、1都3県では、固定費を抑えることができる居抜き店舗の需要は引き続き高く、2021年3月期決算において昨年を上回る売上高を記録しました。また、店舗物件の総数に対する転貸借物件の割合が少ないことから、さらなる事業拡大の余地があると見込んでいます。「コロナ禍＝飲食業界は厳しい」という固定観念に流されない柔軟な発想もった若い経営陣が活躍しています。

2位は前回1位のアズームで、役員の平均年齢は47.2歳でした。2位と言っても1位との差は0.09歳とごくわずかで、上場不動産業界を見渡してもこの2社が特に役員が若い会社と言えるでしょう。アズームは月極駐車場の特化型検索サイト「CarParking」を運営しており、コロナ禍で注目を浴び、株価が上昇した不動産テック企業です。

代表取締役の菅田洋司社長は1977年1月27日生の44歳です。役員10名のうち30代役員が3人、40代役員が4人と言う活気ある顔ぶれで、事業内容だけではなく役員陣の若々しさも投資家から好感を呼んでいるのでしょう。

役員平均年齢が40代の企業は上記2社のほか、3位グッドコムアセット(役員平均年齢48.38歳)、4位明豊エンタープライズ(役員平均年齢49歳)の計4社でした。前回調査では6社でしたので、少し減る結果となりました。コロナ禍の先の見えない世の中を渡っていくためには、年長者の確かな信頼や手腕が必要だと判断し、役員人事を見直す会社が多かったのかもしれません。

一方、不動産業界大手デベロッパー5社の役員平均年齢はこのようになっています。

野村不動産HDが83位にランクインした以外は、いずれも115社中100位以下と、役員が不動産業界においても特に年齢層が高いことが分かりました。特に住友不動産は、最も役員平均年齢が高かったテーオーシー(67.17歳)の次に役員平均年齢が高いという結果が出ました。役員平均年齢が高い会社は強い安定感を感じさせますが、不動産業界に新しい風を入れるためにも、若く才能のある役員の登用が増えてほしいと思います。

上場不動産会社115社全体の役員の平均年齢は、昨年に引き続き約58歳となっています。