不動産関連サービス業 広告宣伝費ランキング2021
上場している不動産関連のサービス業種の企業のうち、広告宣伝費や販売促進費を公開している8社(※)を対象に、広告宣伝費等が高い順にランキングしました。併せて、売上高に対し広告宣伝費等の割合が高い企業も紹介します。コロナ禍で広告宣伝費を減らす企業が多い中でも、特に広告宣伝に力を入れている企業を調査しました。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
集計方法
・2020年8月期から2021年7月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計
・「広告宣伝費」「販売促進費」などの広告関連費用が公表されている企業をランキング化
・「広告宣伝費」と「販売促進費」の両方が記載されている場合は合算した数値を集計
・連結発表の企業は、連結した金額で発表
画像=写真AC
8社中2社が広告宣伝費100億円超も 7社が前年比減
順番 | 会社名 | 広告宣伝費 | 販売促進費 | 2021年7月期 広告宣伝費 (百万円) |
広告宣伝費 前年比(%) |
売上高 (百万円) |
広告宣伝費率(%) |
1 | リクルートホールディングス | 141,778 | 42,113 | 183,891 | 83% | 2,269,346 | 8.10% |
2 | LIFULL | 10,487 | 10,487 | 79% | 35,402 | 29.62% | |
3 | じげん | 2,725 | 358 | 3,083 | 89% | 12,564 | 24.54% |
4 | リブセンス | 1,495 | 1,495 | 63% | 4,078 | 36.66% | |
5 | リビン・テクノロジーズ | 1,280 | 1,280 | 131% | 2,444 | 52.37% | |
6 | アルヒ | 989 | 989 | 81% | 26,821 | 3.69% | |
7 | ファーストロジック | 81 | 81 | 90% | 1,716 | 4.72% | |
8 | アーキテクツ・スタジオ・ジャパン | 76 | 76 | 75% | 675 | 11.26% |
1位はリクルートホールディングスで、広告宣伝費は1,732億1,900万円でした。昨年度の2,209億3,500億円からは17%広告費を削減していますが、コロナ禍でも依然として巨額の広告宣伝費を投じていることが分かります。
リクルートHDは、オンライン求人プラットフォーム「Indeed」「Glassdoor」の運営のほか、日本最大級の不動産サイト「SUUMO」、飲⾷分野では「HotPepperグルメ」など、様々な販促メディアを手掛けています。
コロナ禍においても、ITに強い同社はその強みを生かし、2021年3月期決算における第4四半期の求職情報事業と⼈材派遣事業は増収となりました。しかし、メディア&ソリューション事業は減収となっています。同社は来期以降の成⻑のために、各分野とも広告宣伝費等の投資を強化しています。ワクチンの効果でコロナが落ち着きつつあり、今後は一層のビジネスチャンスが生まれることでしょう。
2位は不動産情報サイト「LIFULL HOME’S」などを手掛けるLIFULLで、広告宣伝費は104億8,700億円でした。前年の132億7,300万円よりも21%広告宣伝費をダウンさせています。
ランキング1~8位はこのようになっています。
広告宣伝費には、コロナ禍の影響が如実に表れており、5位のリビン・テクノロジーズ以外は全ての会社が前年よりも広告宣伝費を削減する結果となりました。8社全体を平均した広告費は、前年比86%となっています。
売上に対する広告宣伝費率が高い会社ランキング
続いて、8社を、売上に対する広告宣伝費用割合が高い順にランキングしました。
順番 | 会社名 | 広告宣伝費率(%) |
1 | リビン・テクノロジーズ | 52.37% |
2 | リブセンス | 36.66% |
3 | LIFULL | 29.62% |
4 | じげん | 24.54% |
5 | アーキテクツ・スタジオ・ジャパン | 11.26% |
6 | リクルートホールディングス | 8.10% |
7 | ファーストロジック | 4.72% |
8 | アルヒ | 3.69% |
1位はリビン・テクノロジーズで、広告宣伝費率は52.37%となり、売上の半分以上を広告費に投じています。2020年の同様の調査でも断トツの1位で、コロナ禍の前後を問わず広告宣伝に力を入れています。
参考サイト
「不動産関連サービス業 広告宣伝費ランキング2020」
リビン・テクノロジーズは、不動産会社比較バーティカルメディア「リビンマッチ」のほか、Webテクノロジーと不動産を融合したプロダクトの開発・運営を行う不動産テック企業です。主力のメディア事業に多額の広告宣伝費を投下する必要があることから、このような比率となりました。
2位はリブセンスで、広告宣伝費率は36.66%でした。リブセンスは人材メディア「マッハバイト」「転職会議」等のほか、不動産メディア「イエシル」などを手掛けるインターネットメディア運営会社です。リブセンスは前年比63%と大きく広告費を削減していますが、それでも売り上げの3分の1を超える広告宣伝費を支出していることが分かりました。