不動産関連サービス業 新卒採用数ランキング 2021年10月
上場している不動産関連サービス企業22社(※)のうち、過去3年の新卒採用数を公表している9社について、新卒採用数を、ランキング形式でご紹介します。コロナ禍で新卒採用を控える企業もある中、安定した雇用を創出している企業はどこなのでしょうか。併せて、男女別の雇用人数についても調査しました。(リビンマガジンBiz編集部)
※編集部基準
集計方法
・2020年9月22日に、公式サイトや採用サイトなどを参照し独自集計
・集計上データがない場合は「非公表」とした
・「2020年」「2019年」「2018年」「過去3年の合計数」を集計
画像=Pixta
新卒採用数断トツ1位はリクルートHD 建設コンサル企業が続く
順番 | 会社名 | 新規採用数 2020年 男 |
新規採用数 2020年 女 |
新規採用数 2020年 |
新規採用数 2019年 男 |
新規採用数 2019年 女 |
新規採用数 2019年 |
新規採用数 2018年 男 |
新規採用数 2018年 女 |
新規採用数 2018年 |
新規採用数 過去三年合計 |
1 | リクルートホールディングス | 297 | 176 | 473 | 331 | 185 | 516 | 268 | 130 | 398 | 1387 |
2 | 長大 | 23 | 11 | 34 | 15 | 5 | 20 | 9 | 7 | 16 | 70 |
3 | オオバ | 17 | 4 | 21 | 16 | 7 | 23 | 17 | 61 |
1位はリクルートホールディングスで、新卒採用数は過去3年で1387人となっています。リクルートHDは「Indeed」等のオンライン求人プラットフォームの運営のほか、「SUUMO(スーモ)」などの住宅情報プラットフォームの運営など、多様なジャンルの広告ビジネスを手掛けています。
2020年の新規採用数は473人で、コロナ禍前の2019年の516人よりは少し数を減らしましたが、引き続き多くの新卒を雇用しています。
2位は長大で、過去3年の新卒採用数は70人となりました。長大は特に橋梁設計に強みのある建設コンサルタント会社で、本州四国連絡橋をはじめとする日本各地の長大橋設計に関与してきました。南米やヨーロッパ、アフリカなど世界各地のプロジェクトにも携わっています。
2020年は前年より新卒採用数を増やしており、コロナ禍でも事業を拡大しようとする姿勢が窺えます。
3位はオオバで、過去3年の新卒採用数は61人となりました。同社は大正11年(1922年)創業の老舗総合建設コンサルタント会社で、主にまちづくりを得意分野としています。代表的な事業としては、神奈川県藤沢市の「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」があります。
様々なジャンルの広告事業を手掛ける1位のリクルートHDを除くと、2位、3位は建築コンサルタント企業が占める結果となりました。橋梁設計やまちづくりなどは、長期的な視野が必要で、国や地方公共団体が関与する事業のため、コロナ禍による影響が少ないと考えられます。
不動産関連サービス業種は男女の雇用機会格差が大きい
順番 | 会社名 | 新規採用数 2020年 男 |
新規採用数 2020年 女 |
新規採用数 2020年 |
新規採用数 2019年 男 |
新規採用数 2019年 女 |
新規採用数 2019年 |
新規採用数 2018年 男 |
新規採用数 2018年 女 |
新規採用数 2018年 |
新規採用数 過去三年合計 |
4 | リビン・テクノロジーズ | 11 | 10 | 21 | 14 | 6 | 20 | 11 | 1 | 12 | 53 |
5 | 土木管理総合試験所 | 14 | 4 | 18 | 10 | 0 | 10 | 28 | |||
6 | ERIホールディングス | 5 | 6 | 11 | 3 | 5 | 8 | 5 | 2 | 7 | 26 |
7 | ファーストロジック | 5 | 3 | 8 | 6 | 2 | 8 | 1 | 2 | 3 | 19 |
8 | じげん | 8 | 2 | 10 | 3 | 5 | 8 | 10 | 0 | 0 | 18 |
9 | あんしん保証 | 0 | 1 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 |
今回調査した9社は全て男女別の雇用数を公表していました。そのうち、2020年の新卒採用で、女性を男性よりも多く雇用していたのは建築検査のERIホールディングスと賃貸・家賃保証のあんしん保証の2社だけでした。2020年の9社合計の新卒採用数を見ても、男性380人、女性217人と、男女の雇用数に大きく差が出ています。
不動産関連サービス業種は、建築の専門知識やITテクノロジーに関する知識・技術を求めることがあり、それ
らが得意な男性の採用数が多くなるのは、ある程度は頷けます。
しかし、消費者の観点からとらえると、不動産には男性も女性も住みます。特に、完全な男女平等が実現しているわけではない日本においては、家に滞在する時間は女性のほうが長い傾向があるでしょう。女性消費者のニーズをとらえるためにも、不動産サービス業種の男女の雇用格差は将来的には是正されたほうが望ましいといえます。