不動産業界 広告宣伝費ランキング2021

上場不動産会社63社(※)について、2020年11月期までの広告宣伝費および販売促進費を集計、多い順にランキングしました。あわせて、売上における広告宣伝費率が高い不動産会社トップ10もご紹介します。コロナ禍に揺れた2020年でしたが、上場不動産会社の広告宣伝費の割合に影響はあったのでしょうか。(リビンマガジンBiz編集部)

※注=編集部基準

集計方法

・2019年12月期から2020年11月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計

・「広告宣伝費」「販売促進費」を公表している企業をランキング化

・「広告宣伝費」と「販売促進費」の両方が記載されている場合は合算した数値を集計

・連結発表の企業は、連結した金額で発表

画像=写真AC

広告費200億円越えは2社 住友不動産が広告費を前年より13%減

 

1位は野村不動産ホールディングスで、広告宣伝費は210億2,600万円でした。野村不動産ホールディングスは、日本屈指の財閥系大手デベロッパーです。最近では、傘下の野村不動産株と(株) point 0(ポイントゼロ)が共同企画した、シェアオフィスサービス「H¹T Lab powered by point 0」を2021年3月に開業しています。

前年の214億5,800万円よりは微減となりましたが、引き続き不動産業界第一位の広告宣伝費を拠出しています。売上高の3.11%を費やすという広告宣伝費率の高さも、大手財閥系不動産会社の中では突出しています。

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上場不動産会社 広告宣伝費ランキング 2020

2位は三井不動産で、広告宣伝費は201億5,300万円でした。三井不動産は国内最大手の財閥系不動産会社です。社員の健康に関する取り組みが高く評価され、「健康経営優良法人2021(ホワイト500)」に5年連続で認定されました。コロナ禍でより一層注目されている、社員をはじめとする人々の健康維持や増進の問題に積極的に取り組んでいます。

昨年度の212億4,500万円より10億円以上も広告費を減少させましたが、昨年2位の住友不動産が大きく広告費を削減ししたため、昨年より順位を一つ上げました。同社はここ数年広告費を削減する方向にあり、コロナ禍ゆえに広告費を削ったものではなさそうです。

3位は住友不動産で、広告宣伝費は185億1,400万円です。住友不動産も1位、2位と同じく財閥系の大手デベロッパーで、2020年には大江戸線都庁前駅直結の全天候型のイベント会場「三井住友ビル三角会場」をオープンしています。

前年の広告費が212億5,000万円でしたので、マイナス27億3,600万円と大幅な削減を行っています。広告費削減について、有価証券報告書に言及はありませんでしたが、コロナ禍で今後減収減益が見込まれることからの削減と考えられます。

4位の三菱地所までが軒並み広告費を削減し、業界全体の広告費は前年比3%減となりました。微減ではあるものの、コロナ禍の影響をうかがわせる結果となりました。

売上における広告宣伝費率が高い不動産会社トップ10

売上高のうち、広告宣伝費用割合が高い企業、上位10社をご紹介します。

ハウスコムが1位で、広告宣伝費が売上の約一割(10.72%)となり、昨年の倍という高い金額になっています。ハウスコムは不動産賃貸仲介業務を主に行う、大東建託グループの会社です。

広告宣伝費が跳ね上がった理由は、昨年までは同社単独の広告宣伝費であったところ、今期から、大東建託の子会社のうち2社の株式を100%取得して子会社化し、3社の連結決算となったためです。ハウスコム単体の広告宣伝費は昨年より減少しています。

 
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