上場している住宅建設会社 従業員数ランキング2021年
上場している住宅建設企業31社(※)を、正規従業員の総数が多い順にランキングしました。また、1年前と比べて従業員が増えた企業や減った企業も併せてご紹介します。日本の住宅建設を担う大手メーカーは、2020年のコロナ禍によりどのように影響を受けたのでしょうか。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
集計方法
・2019年11月期から2019年10月期までの有価証券報告書記載の従業員数を集計
・従業員数は連結決算の場合は子会社を含んだ総数を基準とし、連結数値がない場合は本社単独の数値で順位化
・平均臨時雇用者数は含まず
画像=写真AC
従業員数1万人超の住宅メーカーは4社
1位はハウスメーカー業界売上ナンバーワンの大和ハウス工業で、連結子会社を含むグループ全社の総計で4万7,133人の正規従業員がいます。前年の同様の調査に引き続き第1位で、去年より2,186人増加しました。東京ドームでの野球の試合の観客収容人数(4万6,000人)をオーバーする従業員数となりました。
2位も去年に引き続き積水ハウスで、連結子会社を含む従業員数は2万7,397人でした。去年より2,622人増加しており、正社員の増加人数ではランキング1位となっています。
3位は住友林業で、従業員数は1万9,332人(昨年比+173人)、4位は大東建託で、従業員数1万7,757人(昨年比+111人)となっています。従業員数1万人を超える住宅メーカー1位~4位までは、前回調査の順位と変化はありませんでした。
一方、従業員数の増加割合を見てみると、1位大和ハウス工業と2位積水ハウスは従業員数を2,000人以上増やしたのに対し、3位住友林業や4位大東建託は100人単位の増加幅にとどまっています。3位以下の大手住宅メーカーはコロナ禍における事業拡大について、慎重になっていることが分かりました。
従業員数が増えた企業&減った企業ランキング
続いて、1年前より従業員数が増加した企業TOP5をご紹介します。
上位2社以外で社員増加数が顕著なのは、飯田グループホールディングスの+1,132人です。飯田グループHDは「誰もが当たり前に家を買える社会」を目指し、世界中により良い住まいを提供できるようにとの理念のもと、成長を続けています。
同社はコロナ禍においても分譲戸建住宅の需要が堅調で、前年同期比増収増益を記録しました。リモートワークにより自宅にとどまる時間が長くなる中、快適な住まいを好価格で提供していることが要因のようです。
1年前より従業員数が減った企業5社は以下のようになりました。
施工不良問題で危機的状況に陥り、その立て直し中にコロナ禍に突入してしまったレオパレス21が1位となり、557人の大幅な人員削減となっています。
2位はTATERUで、アパート事業やスマートホテル事業を手掛けています。主力であるアパート事業にて、顧客が金融機関に提出する資料を営業担当者が改ざんし、融資審査に通りやすくしていたことが発覚し、2019年7月に1週間の業務停止命令という重い処分が下りました。まだ信頼回復がならない中でのコロナ禍となり、ホテル事業にも影響が及ぶなど、苦しい経営を続けています。
コロナ禍で従業員数を減らした企業は、それ以前に大きな不祥事を起こしていたことが、業績悪化の原因となっています。突然の社会変化に対応するためには、日ごろから襟を正した健全な経営を心掛けることが重要だとわかります。