不動産会社 外国資本比率ランキング2020
上場不動産企業115社(※)を対象に、外国人持株比率(個人・法人)が高い会社をランキング形式で発表します。大株主の外国人持株比率の割合が少ない日本の不動産業界ですが、去年と比べて大きく割合が変わった企業を紹介します。また、コロナ前とコロナ後では、業界全体の外国人持株比率に変化がみられました。あわせて考察します。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
集計方法
・調査日:2019年11月22日
・発行済株式総数に対する大株主の持株比率のうち、外国法人または外国籍の個人が所有している株式の比率を集計
画像=写真AC
1位はREVOLUTION 外国人持株比率5割を超える会社は2社
1位はREVOLUTIONで、外国人持ち株比率は8社合計で64.79%となりました。REVOLUTIONは旧会社名を原弘産といい、山口県で不動産事業を営んでいます。一時期は経営状態が悪化していましたが、ケイマン諸島のファンドEVO FUNDの援助もあり持ち直しています。現在は新たに投資事業をスタートさせ、また、元千葉ロッテマリーンズ監督のボビー・バレンタイン氏を社外取締役に招くなど、積極的で話題性のある経営を行っています。
直近の有価証券報告書では、同社のピンチを救ったEVO FUNDは所有割合25.72%となっており、筆頭株主はアイルランドのダブリンに本社を置くCREDIT SUISSE AG, DUBLIN BRANCH PRIME CLIENT ASSET EQUITY ACCOUNTで、29.88%となっています。大株主の中で、国内企業は、日本証券金融株式会社が2.51%、仲西智新が0.66%と2社のみで、非常に外国人持株比率の高い会社となっています。
2位は都内を中心に分譲マンション開発などを手掛けるアスコットで、筆頭株主である平安グループのSUN YE COMPANY LIMITEDが所有割合59.87%、次いで平安ジャパン・インベストメント1号投資事業有限責任組合が12.95%でした。去年の1位から2位に下がりましたが、合計72.82%という割合は、前回調査と変わりありませんでした。
参考サイト
3位はグリフィンマンションシリーズのASIAN STAR で39.18%、4位は不動産専門のクラウドファンディングを手掛けるロードスターキャピタルで35.62%となりました。この4社までが外国人持株比率30%以上となっています。
REVOLUTIONが1位となったため、2~4位は昨年までのランキングから1つずつ順位を落とす結果となりましたが、1位以外の上位ランキング企業は、外国人持株比率共に大きな変化はありませんでした。
トップ10企業とコロナ前後での外国人持株比率の変化
続いて、5位から10位までをご紹介します。
外国人持株比率が1割を超える企業は18社でした。昨年調査では13社でしたので、5社増加しています。また、115社全体の外国人持株比率の平均は、去年が4.33%だったのに対し、今年は5.17%と増加しています。コロナ禍でも、世界の先進国の中で比較的感染者数が少なく、政治状況も安定している日本の企業に対し、海外投資家からの注目が高まっているとみられます。
不動産会社 外国資本比率ランキング2020
集計方法
・調査日:2019年11月22日
・発行済株式総数に対する大株主の持株比率のうち、外国法人または外国籍の個人が所有している株式の比率を集計