不動産業界 時価総額ランキング 2020
上場不動産企業115社(※)について、2020年9月24日時点における時価総額を高い順にランキングし、昨年11月の同様の調査における時価総額と比較しました。時価総額からは、コロナの影響が大きい企業のほか、コロナ禍でもビジネスチャンスをつかんだ企業の存在がわかります。(リビンマガジンBiz編集部)
※=編集部基準
集計方法
・2020年9月24日15時時点の時価総額を集計
・「売上高」「経常利益」は2019年6月期から2020年5月期までの最新の有価証券報告書を元に集計
不動産業界時価総額1~4位は変動なし 三井不動産は前年より1兆円近く下落
1位は三菱地所で、9月24日時点の時価総額は2兆2,442億1,300万円でした。前年11月時点より7,000億円近く下落していますが、不動産業種の中でただ1社、2兆円を超える時価総額を維持し、コロナ禍の中では高水準を保っていると言えるでしょう。
参考サイト
2位が三井不動産、3位住友不動産、4位ヒューリックという順位は前年と変わりません。前年11月より時価総額は軒並み下落、マイナス幅は以下のようになっています。
上位4社の中では、三井不動産が前年11月調査より1兆円近くも時価総額を減らす結果となりました。三井不動産は、「ららぽーと」などの商業施設の売上高が全体の1割強を占めます。そのため、緊急事態宣言による休業のダメージが大きくなりました。コロナの早期収束が見込めないなか、今後の事業への影響が投資家から懸念されています。
不動産業界時価総額トップ10を紹介 オープンハウスが躍進 東急不動産HDが下落
5位から10位までは以下のようになっています。
オープンハウスが、昨年11月の時価総額3,234億7,000万円から約1,300億円アップして4,558億8,700万円となりました。オープンハウスは都心で戸建て住宅を販売しています。都心でコロナ感染が拡大し、リモートワークの必要性が叫ばれるようになったため、自宅で落ち着いて仕事ができる戸建てのニーズが高まりました。オープンハウスはこの需要をうまくつかんで契約件数を伸ばしており、投資家からの注目度は高まっています。
反対に、前回5位の東急不動産ホールディングスは、3,282億4,300万円となり、昨年11月より2,000億円ほど時価総額を低下させて9位に落ちています。前年が5,283億5,600万円でしたから、時価総額の4割ほどを失ったことになります。
東急不動産HDは大手デベロッパー5社の中でコロナによるダメージが最も大きく、東急ハンズやホテル事業、リゾート、フィットネスクラブなどすべての事業に影響がありました。また、同社の不動産事業の中心地である渋谷にはIT企業のオフィスが多く、IT関連はリモートワークに適応しやすいため、オフィス需要が減るのではないかという懸念も持たれています。