不動産業界 負債の多い会社ランキング 2020
上場不動産業種115社(※)を対象に、負債の合計額が大きい順にランキング形式でご紹介します。借金額は必ずしも経営状態の悪さを反映するのではなく、多くの借金をして大規模事業を展開できることは、それだけ会社の規模や信用力が高いことを表しています。また、前期と比較して負債合計の増加率が高い企業についてもランキングしました。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
集計方法
・2019年4月期から2020年3月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
・流動負債・固定負債を合算
・連結決算の場合は連結数値を集計
・スター・マイカ・ホールディングスは持株会社化したため、前年期のデータはなし
1位は三井不動産 負債合計3兆円以上の上場不動産企業は3社
1位は三井不動産で、負債合計は4兆9,088億3,300万円でした。三井不動産は不動産業界最大手の財閥系デベロッパーで、「ららぽーと」などの商業施設、「日本橋再生計画」といった都心の街づくりのほか、千葉県柏市で「柏の葉スマートシティ」という課題解決型の街づくりを展開するなど、全国で幅広い開発事業に取り組んでいます。
2019年の調査では住友不動産に次ぐ負債額2位でしたが、今期は五兆円に迫る大幅な負債額増加となっています。国内や海外への積極的な展開に伴う「攻め」の負債でしたが、コロナウイルスによる世界状況の大変化により、方針変更を余儀なくされそうです。三井不動産はこれからの新しい時代に即した「ビジネスライフやくらしの提供」に積極的に取り組むことを表明しています。
参考サイト
2位は住友不動産で、負債合計は4兆226億2,400万円となりました。住友不動産は、主にオフィスビル・高級賃貸マンションの開発・賃貸のほか、子会社の住友不動産ヴィラフォンテーヌがホテル事業を、同じく住友不動産ベルサールがイベントホールなどの不動産賃貸を行っています。
住友不動産の負債額はここ数年、4兆円前後で推移しています。同社は有価証券報告書にて、コロナウイルスの影響により、来期2021年3月期の業績は減収減益となるとの厳しい見方を示しています。しかしながら、財閥系の安定した財政基盤をバックに、手堅い経営で危機を乗り越えていくと予想されます。
3位は三菱地所で、負債合計は3兆9,170億300万円となりました。三菱地所は業界第2位の財閥系デベロッパーで、東京丸の内の開発事業を中心にしつつ、「御殿場プレミアム・アウトレット」などの商業施設、地域冷暖房事業や光ファイバー事業なども手掛けています。
三菱地所はコロナウイルスショックを踏まえても、オフィス需要や中長期的な不動産投資商品の需要は見込めると予想しています。また、アジア新興国での開発事業にも引き続き力を入れていく方針です。
三井不動産・住友不動産・三菱地所の3社を合わせると、負債合計は12兆8,484億円という途方もない額になります。新型コロナウイルスの国民全員への一律現金給付10万円が、単純計算で約12兆円ですので、3社の借入額だけで賄える計算になります。
続いて、1兆円以上の負債を抱えている企業7社をご紹介します。いずれも不動産業界に名だたる有名企業で、事業規模の大きさに即した負債を抱えていることが分かりました。
負債合計増加率TOP10
前期に比べ、負債の増加率が高かった企業トップ10はこのようになりました。
1位はGA technologiesで、308%の増加でした。同社は不動産総合流通サイト「RENOSY(リノシー)」を事業の中心とする不動産テック企業です。積極的な事業拡大のための負債増加となりました。同社はコロナ禍においてもさらなる需要が見込めるとして、投資家からも注目されています。
このほかにも、2位の霞が関キャピタル(202%)、4位のグッドライフカンパニー(185%)と、2018年に新規上場した勢いのある企業がランキング上位に入りました。
調査した115社中、もっとも負債が少なかったのはRISE で、4億7,800万円でした。
不動産業界 負債の多い会社ランキング 2020
集計方法
・2019年4月期から2020年3月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
・流動負債・固定負債を合算
・連結決算の場合は連結数値を集計
・スター・マイカ・ホールディングスは持株会社化したため、前年期のデータはなし
不動産業界 負債の多い会社ランキング 2020
集計方法
・2019年4月期から2020年3月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
・流動負債・固定負債を合算
・連結決算の場合は連結数値を集計
・スター・マイカ・ホールディングスは持株会社化したため、前年期のデータはなし