住宅建設業界広告宣伝費ランキング2020
上場している住宅建設会社24社(※)を、広告宣伝費が高い企業順にランキングしました。併せて、売上高における広告宣伝費の割合が高い企業についても調査しました。従来型の新聞・テレビ広告のほか、ネット上の広告など、広告形態が多様化する中、宣伝広告費に特に力を入れている住宅メーカーや、業界全体の傾向について考察します。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
集計方法
・2019年2月期から2020年1月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
・連結決算の場合は連結の数値を集計
・「広告宣伝費」「販売促進費」のどちらか一方のみが明示されている場合はその数値を採用、両方表示されている場合は広告宣伝費のみを集計
広告宣伝費100億円以上の住宅メーカー3社は去年と変わらず
1位は注文住宅や分譲マンション、賃貸住宅などを幅広く手掛ける大和ハウス工業で、広告宣伝費は355億1,100万円となり、昨年比102%の微増となりました。同社は昨年の調査に引き続き広告建築費第一位ですが、売上における広告宣伝費率の割合は0.9%と高くはなく、会社の規模が大きいため広告宣伝費の総額も比例して増える結果となりました。
参考サイト
「住宅建設業界広告宣伝費ランキング【2019年5月集計版】」
2位は戸建住宅販売戸数1位の積水ハウスで、248億300万円(昨年比99%)、3位は住宅情報サイト「すまいーだ」などをてがける飯田グループホールディングスで、128億5,900万円(昨年比96%)です。広告宣伝費100億円をこえる3社は去年と同順位となり、また広告宣伝費の昨年からの増加率は微増または微減となりました。
広告宣伝費が10億円をこえる住宅建設会社は以下の通りです。
こちらも、前回調査と比較すると、上場を廃止した企業以外はほとんど順位に変動はありませんでした。各社とも2020年1月期までは、自社の広告宣伝費の支出割合が適切であると考えており、極端に広告宣伝費を増やしたり、減らしたりする企業がなかったことが読み取れます。
売上における広告宣伝費割合が高い企業ランキング
続いて、売上における宣伝広告費の割合が高い企業について、上位企業を調査しました。
1位は去年に引き続き、住宅建設のほか宅配飲料水や害虫駆除商品などを幅広く手掛けるナックで、広告宣伝費率は5.8%でした。依然として住宅建築業界ではトップの広告宣伝費率ですが、ここ数年は広告費割合を削減しています。
2位はハウスフリーダムで、去年の4.4%から4.7%に広告宣伝費率が上昇しています。同社は大阪と福岡を主たる営業エリアとする不動産売買の仲介事業や、新築戸建住宅の分譲、「ガレンカーサ」ブランドの注文住宅や規格型住宅の建築を請け負っています。
ハウスフリーダムは分譲事業や請負事業の売上が昨年より減少した一方、広告宣伝費の支出が増えていることから、広告宣伝費率が高まる結果となりました。
調査対象とした24社全体の広告宣伝費割合の平均は1.8%でした。今後はコロナショックを受けて消費が落ち込む中、広告宣伝費の割合を削減しながらいかに効率よく販売をしていくか、各社の工夫が試されることでしょう。また、リモートワークを導入する企業の増加に伴い、顧客がインターネットを利用する時間の増加が予想されます。そのため、ネットを活用した販促の重要性が増していきそうです。
住宅建設業界広告宣伝費ランキング2020
集計方法
・2019年2月期から2020年1月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
・連結決算の場合は連結の数値を集計
・「広告宣伝費」「販売促進費」のどちらか一方のみが明示されている場合はその数値を採用、両方表示されている場合は広告宣伝費のみを集計