大手デベロッパー比較(メジャー6社)2020

日本のマンションデベロッパー(不動産企業)大手6社を、売上、純利益、社員数、時価総額の4つの観点から比較しランキングしました。また、前年期の数値も併せてご紹介します。日本の不動産会社を代表する大手企業の2019年の状況と、新型肺炎の影響を受けた2020年4月の時価総額について振り返ります。(リビンマガジンBiz編集部)

集計方法

・6社中5社の「売上」「純利益」「社員数」は、2019年3月期の有価証券報告書より集計

・東京建物のみ決算期が12月のため、2019年12月期の有価証券報告書より集計

・連結決算の数値を採用

・2020年4月28日時点の「時価総額」を集計

画像=PIXABAY

売上ランキング1位は三井不動産 東京建物が売上増加率アップ

 

昨年の同様の調査と、1位~6位までの順位に変動はなく、2019年の大手デベロッパー6社は安定した成長率を記録しています。

参考サイト

大手デベロッパー比較ランキング(メジャー6社)【2019年4月集計版】

1位となった三井不動産は日本の最大手総合不動産会社です。2019年3月に開業1周年となった複合施設「東京ミッドタウン日比谷」が、当初の目標を1,000万人も上回る2,200万人の来場を記録するなど、ビルや商業施設をはじめとする各方面で業績を伸ばしました。

6社のうち5社までが、前年比売上高は104~107%程度と緩やかな売上アップとなりましたが、東京建物のみ売上増加率118%と大きく伸びています。

東京建物は1896年に旧安田財閥の安田善次郎により設立された、長い歴史を持つ老舗の不動産会社です。2019年12月期を最終期とする5年間の中期経営計画「次も選ばれる東京建物グループへ」の取り組みが功を奏し、連結営業利益は目標の500億円を超える524億円となりました。

純利益ランキングは東急と野村の純利益増加率に注目

 

昨年の純利益ランキングでは、東急不動産ホールディングスは5位でしたが、2019年は純利益増加率が132%と大幅に伸び、4位にランクアップしました。一方、前年度4位の野村不動産ホールディングスは純利益が前期比76%と下がり、明暗が分かれるかたちとなりました。

東急不動産ホールディングスは首都圏を中心にオフィスビルやマンション事業などを展開しています。2019年はオフィス市場の活況により、当初の計画を上回る事業実績となり、純利益を増加させています。また、8月からは「渋谷ソラスタ」の新本社を営業開始させ、IoTを活用した働き方改革でもマスコミから注目を浴びました。

野村不動産ホールディングスは、マンションや戸建ての開発分譲を筆頭に、資産運用や不動産仲介を手掛けています。同社は事業当連結会計年度の売上高目標を7,000億円としていたところ、6,685億円となり、目標不達となりました。しかし、各部門においてはそれぞれの事業を着実に拡大しており、株主還元に関しても増配を続けています。

社員数ランキング1位は東急 各社とも微増

社員数ランキングは前年期と順位変動はなく、引き続き東急不動産ホールディングスが1位となりました。各会社の社員増加率は102~108%と緩やかに増加しています。企業を段階的に成長させるにはちょうど良い増加割合といえ、大手デベロッパー6社にとってここ数年が安定した年だったことがわかります。

時価総額ランキング1位はコロナの影響も受けにくいあの会社

投資家から見た会社の価値を表す時価総額ランキングでは、昨年に引き続き三菱地所が1位となり、2兆3,949億600万円と大手6社の中で唯一の2兆円台となりました。コロナショックで各社の時価総額が軒並みダウンする中、去年4月の時価総額の86%を維持と、時価総額の下落幅も6社で最も低くなりました。

コロナ危機によるリモートワークの導入で、今後は都心のオフィスの賃料が低下するとの見方もあります。しかし、丸の内の大家さんといわれる三菱地所は影響を受けにくいと評価されているようです。依然として多くの投資家に信頼されていることを示す結果となりました。

 
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