不動産業界平均勤続年数ランキング 2020年4月集計
上場不動産会社116社を対象として、2019年12月期までの正規従業員の平均勤続年数を、長い順にランキングしました。従業員が安心して長期にわたって働ける会社は、待遇がよく、社員を大切にする会社といえます。平均勤続年数の長さは、就職活動の際に働き甲斐のある会社を選ぶ指標の一つになります。(リビンマガジンBiz編集部)
集計方法
・2019年1月期から2019年12月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計
・グループ会社の場合、単体会社の従業員平均勤続年数を集計
・スター・マイカ・ホールディングスは2019年 6月に持株会社体制となったため、前年期データは無し
・大英産業は2019年上場のため前年期データは不明
平均勤続年数20年以上の上場不動産会社はわずか1社 &トップ10企業紹介
1位は三重交通グループホールディングスで、正規従業員32名の平均勤続年数は20.1年となりました。三重交通グループホールディングスは、愛知県と三重県を中心にバスやタクシーなどの運輸事業を営むほか、不動産や流通、レジャー・サービスなど幅広い事業を手掛けています。
前年期は同社のほかに「東急不動産ホールディングス」「エコナックホールディングス」の3社が勤続年数20年を超えていましたが、今年期の集計では三重交通グループホールディングスただ1社となっています。
「~ホールディングス」の名がつく持株会社は、グループ企業の親会社として子会社を束ねる地位にあり、その従業員は経営陣の信頼を得ているため、平均勤続年数が長い傾向があります。しかし、その持株会社ですら平均勤続年数20年を超える会社がほとんど見られなくなったということは、上場不動産業界においても終身雇用制が完全に崩壊したことを表しているといえます。
2~10位の企業はこのようになっています。
持株会社ではない企業で最も平均勤続年数が長かったのは東京楽天地で、平均勤続年数は17.9年となっています。東京楽天地は創業1937年の老舗企業で、本拠地である墨田区錦糸町において、不動産の賃貸や映画などの娯楽サービス業、飲食店や温泉の経営などを行っています。従業員は正規従業員55名、非正規従業員76名と非正規割合が多めですが、その大半が娯楽サービス業において雇用されています。東京の下町で娯楽や雇用を提供する、地域密着型の会社として長く愛されています。
2~10位までの企業は全て従業員の平均年齢が40歳を超えています。中でもエコナックホールディングスは正規従業員7名の平均年齢が54.5歳と高く、気心の知れた少数精鋭で会社を回していることが窺えます。同社は1926年創業の老舗企業で、新宿区にある温浴施設「テルマー湯」の運営を中心に不動産事業などを行っています。
大手財閥系不動産会社の中では5位の三菱地所の存在が目立っています。ランキング上位のほかの企業が従業員数100名程度までの比較的小規模な会社なのに対し、899人の正規従業員を抱えながらの平均勤続年数17.1年という数字は飛びぬけており、不動産業界で安定して長く働きたいなら文句のない就職先です。しかしその分、学生にとっては狭き門としても有名です。
ランキング下位の企業であっても、平均勤続年数が短いからと言ってブラック企業というわけでは決してありません。新鮮な戦力をどんどん取り入れようという成長路線の企業は、従業員が若い分、平均勤続年数も短くなります。平均勤続年数はあくまで一つの目安として参考にしていただければ幸いです。
不動産業界平均勤続年数ランキング 2020年4月集計
・2019年1月期から2019年12月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計
・グループ会社の場合、単体会社の従業員平均勤続年数を集計
・スター・マイカ・ホールディングスは2019年 6月に持株会社体制となったため、前年期データは無し
・大英産業は2019年上場のため前年期データは不明
不動産業界平均勤続年数ランキング 2020年4月集計
集計方法
・2019年1月期から2019年12月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計
・グループ会社の場合、単体会社の従業員平均勤続年数を集計
・スター・マイカ・ホールディングスは2019年 6月に持株会社体制となったため、前年期データは無し
・大英産業は2019年上場のため前年期データは不明