不動産会社 適時開示数ランキング 2019

不動産上場企業116社(※)を、2018年11月~2019年11月の1年間に適時開示された情報の数が多い順にランキングしました。会社の業務や運営、業績について、投資家に周知する必要がある大きな出来事が2019年中に特に多かった企業はどこなのでしょうか。(リビンマガジンBiz編集部)

※注=編集部基準

画像=写真AC

集計方法

・調査日:2018年11月30日

適時開示数1位は明豊エンタープライズ 話題のユニゾHDは3位にランクイン

 

画像=リビンマガジンBiz編集部

1位は明豊エンタープライズで、会社情報の適時開示数は107件となりました。明豊エンタープライズは、スペインの観光地・ミハスのさわやかな暮らしをイメージした投資用賃貸アパートメント「MIJAS(ミハス)」を開発・販売。また管理や仲介なども行っています。

同社は去年の適時開示情報でも2位になるなど、元々株主に対して活発に情報提供を行う会社でした。しかし今年は、7月に同社の中国プロジェクトに関し、過年度の有価証券報告書の貸付金等債権に関する記述に疑義があるという外部からの指摘を受け、特別調査委員会による調査を行いました。結果、有価証券報告書の訂正を行うことになり、2,400万円の課徴金を課せられるなど、残念ながら不祥事の為に1位となってしまいました。

2位はディア・ライフで、適時開示数は85件でした。ディア・ライフは、東京およびその周辺での都市型マンションの開発、不動産仲介業務などを手掛ける「リアルエステート事業」、人材派遣や人材紹介を行う「セールスプロモーション事業」などを営んでいます。

ディア・ライフは去年の適時開示数ランキング第1位の会社で、今年の適時開示数は去年とほぼ同じです。日頃からこまめに適時開示を行う会社であることがわかります。2019年9月期の連結決算では、売上が前期比4.3%減の198.66億円となりましたが、主力事業のリアルエステート事業が堅調に推移しており、安定した一年となりました。

3位はユニゾホールディングスで、適時開示数は77件でした。ユニゾホールディングスは東京を中心にオフィスビル賃貸・管理、ビジネスホテルの経営などを行っています。

同社に関しては、TOB(株式公開買い付け)に関する話題が注目を集めています。7月には旅行会社大手のHISが敵対的TOBを仕掛けたものの、ユニゾ社がホワイトナイト(白馬の騎士)としてアメリカのフォートレス・インベストメント・グループを味方につけ、TOBを行って対抗。HISのTOBは失敗したものの、その後、フォートレスグループとユニゾホールディングスの友好関係は悪化、事態は混迷しています。現在、ユニゾ社は国内外の投資ファンドなど計8社と協議中であり、異例の事態はツイッター等でも大きな話題になっています。

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適時開示数50件以上の不動産企業とその傾向

続いて、適時開示が50件以上だった企業9社をご紹介します。

 

画像=リビンマガジンBiz編集部

今年は去年に比べて適時開示数が多く、50件以上の適時開示があった企業は、去年は4社だったのに対し、今年は9社となっています。オープンハウスの6位は業績好調の故ですが、5位のプロスペクトは逆に、2019年3月期の有価証券報告書で67億8011万もの経常損失を報告するなど、厳しい経営が適時開示数増加の理由です。前年に比べて、不祥事やTOB、経営悪化などといった話題で適時開示が増えた企業が目立ちました。

 

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