不動産業界 従業員一人あたり経常利益ランキング 2019年

上場不動産会社116社(※)を対象に、従業員一人当たりの経常利益をランキングしました。一人ひとりの従業員が多くの利益を上げている会社は、それだけ生産性の効率が良い会社と言えます。2018年のランキングと比較してご紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

※=編集部基準

画像=PIXABAY

集計方法

・2018年7月期から2019年6月期までの最新の有価証券報告書を元に集計

・経常利益を従業員数で割り、従業員一人当たりの経常利益を算出

・非正規社員は対象外

・トーセイは経常利益の代わりに「税引前利益」が公開されているため、従業員一人当たりの税引前利益を算出

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画像=写真AC

従業員一人当たり経常利益1億円超は京阪神ビルディング1社 ディア・ライフが急上昇

1位は、京阪神ビルディングで、経常利益52億1,471万円に対して、従業員43名となり、従業員一人当たりの経常利益は1億2,127万円でした。京阪神ビルディングは、ウインズ(場外馬券場)ビルやオフィスビル、商業施設、データセンタービルの賃貸などを行っています。また、建物や機械設備の維持管理・清掃なども行っています。

同社は、昨年の従業員一人当たり経常利益1億1,209万円で、2位にランクインしていました。今年は経常利益が2億円近くアップしたのに対し、従業員の数は2名減りました。より生産効率が高まり、他社に大きく差をつけての1位となりました。

参考サイト

不動産業界 従業員一人当たり経常利益 2018年最新版

2位は、ディア・ライフで、で、経常利益29億3,219万円に対し、従業員は30名となり、従業員一人当たりの経常利益は9,774万円でした。ディア・ライフは東京都心を中心に、単身者・DINKS層向けの賃貸マンションの開発や、収益不動産の投資・運用業務、不動産業界向けの人材派遣・紹介などを行っています。

昨年8位だった同社が大きくランクアップした理由は、業績好調で経常利益が10億円近く増えたのに対し、従業員数は50名から30名と、20名も人員を削減したことにあります。今回のランキングでは、1位と2位の会社が業績好調なことに加えて、ともに従業員を減らしたことで生産効率を上げたことがわかりました。

3位はランドで、経常利益6億1,342万円に対して、従業員数7名、従業員一人当たりの経常利益が8,763万円でした。ランドは東京・多摩地区や神奈川・横浜を地盤に、マンション開発を行っており、2018年より太陽光発電所の流動化プロジェクトにも着手しています。

ランドは、2019年2月期決算の売上高に計上する予定だった、不動産に関する1案件と太陽光発電事業に関する1案件の決済金の入金時期がずれ込み、翌期以降に計上することになってしまいました。そのため、54.5%の減益となり、前回1位よりランクダウンとなりました。業績不振による減益ではないため、来期は順位を戻してくることでしょう。

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4~10位の不動産会社の紹介と、人員削減による効率経営の

続いて、従業員一人当たり経常利益が高い会社4~10位までをご紹介します。

4位 ヒューリック 7,749万円

5位 日本商業開発 6,272万円

6位 日本エスコン 5,800万円

7位 サムティ 5,621万円

8位 日本アセットマーケティング 5,594万円

9位 レーサム 5,371万円

10位 ロードスターキャピタル 4,410万円

前回3,668万円で12位だった日本商業開発が5位と大きくランクアップしています。同社も、前年度従業員数83人から今年度69人と人員削減を行った会社です。慢性的な人手不足も手伝い、ITの利用等による人員カットの波が不動産業界にも押し寄せています。

もっとも、調査対象とした不動産会社116社全体の従業員数は去年より5,756人と、増加しています。しかし、従業員一人当たり経常利益の平均は1,577万円と、前年度の平均1,614万円に比べ、若干減少しています。

人材教育をすることで、技術の承継や知識・ノウハウの蓄積が進みます。また、突発的なトラブルへの対応など、人間でなければできない業務も存在します。しかし、人員カットによる効率経営に成功している会社の例を考えると、人員とコストのバランスは悩ましいものがありそうです。

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