不動産会社 外国資本比率 ランキング2019
上場している不動産企業116社(※)のうち、外国人持株比率(個人・法人)の高い会社をランキングしました。昨年12月の同様の調査と比べて、日本の不動産会社における外国投資家の状況はどのように変化したのかについても考察します。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
集計方法
・調査日:2019年9月24日
・発行済株式総数に対する大株主の持株比率のうち、外国法人または外国籍の個人が所有している比率を集計
外国資本比率30%以上の企業は去年と同じ3社、順位は変動あり
1位はアスコットで、外国人持ち株比率は59.87%と、去年と変化がありませんでした。引き続き中国系平安グループの子会社として、不動産開発や不動産ソリューション事業を行っています。平安グループの森燁有限公司(SUN YE COMPANY LIMITED)が59.87%、「平安ジャパン・インベストメント」が12.95%で、合計72.82%という割合も変わっていません。
参考サイト
「不動産会社 外国資本比率ランキング 2018年12月集計」
2位はASIAN STARで、外国人持ち株比率は外国系企業5社合計で36.33%となりました。ASIAN STARは「グリフィンマンション」シリーズの販売や、賃貸マンション、リフォームなどを手掛けています。平成30年には投資事業を行うため、100%子会社の「ASIAN STAR INVESTMENTS」を設立するなど、成長を続けています。
前年は外国系企業の大株主は4社でしたが、1社増えたため2位にランクアップとなりました。そのうち香港の3社が合計33.34%を所有しています。
3位はロードスターキャピタルで、外国人持ち株比率は36%でした。ケイマン諸島在籍の「Renren Lianhe Holdings」社が36%を所有しており、去年より微減しましたが引き続き筆頭株主となっています。ロードスターキャピタルは、不動産特化型のクラウドファンディングや、不動産賃貸などを手掛けています。
「Renren Lianhe Holdings」は、以前は中国のSNSサービス「Renren.com」を手掛ける「Renren Inc.」の100%子会社でした。しかし「Renren Inc.」の会社再編により、「Oak Pacific Investment」の100%子会社に変更となっています。
去年と比べて順位変動はありましたが、基本的にこの3社が高い外国資本比率を維持しているという構図は変わりませんでした。また、新たに外国人持ち株比率が大きく増加した企業もないことがわかりました。
外国資本比率10%以上の不動産企業は13社、三井不動産がランク外に
外国資本比率10%以上の不動産企業は以下のようになっています。
4~7位までは昨年と同順位です。8位の平和不動産が14.09%と、昨年と比べて約2%外国人持ち株割合が増え、10位からランクアップしています。また、13位のフージャースホールディングスは、去年は外国人持ち株比率5.34%であったところ、今年は10.23%と大きくアップしました。
大手企業では三井不動産が前年10.4%と12位にランクインしていたのですが、今回の調査では9.64%となり、外資割合は1割を切っています。調査した116社のうち、大株主に外国人投資家が存在する企業は73社となり、こちらも去年と変化はありませんでした。
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