不動産業界 生涯賃金ランキング
上場不動産企業79社(※)を対象に、従業員の生涯賃金及び平均年収を高い順にランキング形式で発表します。地道な努力が年収に直結すれば、社員のやる気も高まり、会社全体の売り上げを押し上げる好循環につながります。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
集計方法
・2018年4月期から2019年3月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
・従業員数50名以上
・グループ会社の場合、有価証券報告書で公表されている単体会社の平均給与で計算
・20歳から64歳までの45年間を就労期間として推計
・賞与を含む
【参考】厚生労働省発表の「平成30年賃金構造基本統計調査」の業種「不動産業」から5年ごとの年齢階級別の賞与を含む年収を算出し、賃金カーブを作成すると、以下のようになります。
参考サイト
「賃金構造基本統計調査 / 平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類」
生涯賃金5億円以上&平均年収1,000万円超の上場不動産企業は4社!
1位はヒューリックで、生涯賃金は7億3,623万円、平均年収は1,636万1,000円となりました。ヒューリックは不動産賃貸を中核事業としており、東京都心の駅近を中心に約240件の賃貸物件を保有・管理しています。
ヒューリックは2018年の同様の調査でも生涯賃金1位となっています。算出方法は今回の調査とは違いますが、大手財閥系デベロッパーを押しのけての1位に変わりはなく、働きが高額年収に直結する、やりがいのある職場であることが窺えます。
参考サイト
2位は三井不動産で、生涯賃金は5億6,853万円、平均年収は1,263万4,000円です。三井不動産は業界第1位の大手財閥系デベロッパーで、傘下の三井不動産レジデンシャルが分譲マンション「パークホームズ」や「パークシティ」、戸建てとしては「ファインコート」などを手掛けています。
前回調査では3位となっていましたが、今回は三菱地所を追い抜いて業界2位となっています。もっとも、2社の差は年収で15万円ほどと小さく、就職先としてはどちらも遜色ない魅力的な職場といえます。
3位は三菱地所で、生涯賃金は5億6,145万3千円、平均年収は1,247万7,000円です。三菱地所は三井不動産に次ぐ財閥系大手不動産会社で、傘下の三菱地所レジデンスでは「ザ・パークハウス」ブランドを中心とする分譲マンションや戸建て住宅を手掛けています。
三菱地所は売上では三井不動産と差があるものの、平均勤続年数が16年3カ月と業界でも長い部類にはいり、安定して働ける職場として狙い目の企業です。
4位は東急不動産ホールディングスで、生涯賃金は5億116万5千円、平均年収は1,113万7,000円となっています。東急不動産ホールディングスは2013年に東急不動産、東急コミュニティー、東急リバブルの3社を統括する持株会社として誕生し、現在は157社の子会社をもつ巨大グループの親会社となっています。
平均年収が1千万円を超え、勤続年数も18.2年と長い会社ですが、持株会社であるため、従業員が52人と少なく、通常の就職先としては狭き門となっています。
生涯賃金4億円以上、年収900万円以上の不動産会社は?
続いて、生涯賃金4億円以上、平均年収900万円以上の企業をご紹介します。
なお、「公益財団法人 生命保険文化センター」の平成29年の調査では、定年制を定めている企業のうち、もっとも一般的な定年年齢は60歳となっています。
参考サイト
しかし、今後は少子高齢化により、65歳まで定年年齢の引き上げ、および65歳まで働き続ける従業員の増加が見込まれるため、今回のランキングでは65歳まで働くことを前提に生涯賃金を算出いたしました。
上記の通り、大手財閥系デベロッパーに限らなくとも、年収の良い不動産企業が存在します。従業員の平均勤続年数、業務内容、評判、職場の雰囲気などを総合的に判断して、よりご自身に適した職場を選択されることをおすすめします。