不動産業界 平均勤続年数ランキング【2019年5月集計版】
上場不動産会社106社(※)を対象に、平均勤続年数を長い順にランキング形式で紹介します。平均勤続年数とは、現在その会社に勤めている従業員の勤続年数の平均値です。この数値が多いほど、その企業で長く働いている従業員が多いことを表します。(リビンマガジンBiz編集部)※注=編集部基準
集計方法
・2018年2月期から2019年1月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
・グループ企業の場合は、単体の従業員平均勤続年数、及び従業員数を集計
・テンポイノベーション、カチタスは2017年上場につき前年度平均勤続年数は不明
平均勤続年数20年以上の不動産企業はいずれも持株会社
1位はエコナックホールディングスで、平均勤続年は22.5年でした。エコナックホールディングスは大正15年創業と歴史が古く、元来は刺繍・レース製造を中心とした会社でしたが、現在では繊維事業の他に、東京にて「エコナック西麻布ビル」をはじめとする不動産事業や、都心型のプレミアム・スパ「テルマー湯」の運営などを行っています。
前年と比べて平均勤続年数が10年以上増えていますが、これは化粧品事業からの撤退に伴い、勤続年数の短い従業員が退社したことによるものです。従業員平均年齢も49.8歳と、RISEの54.8歳に次ぐ2位となっています。
2位は、三重交通グループホールディングスの平均勤続年数21.3年です。三重交通グループホールディングスは、日本有数の規模を誇るバス事業を中心に、不動産分野ではマンションブランド「Praise(プレイズ)」や分譲戸建ブランド「Precia(プレシア)」、メガソーラー発電所などを手掛けています。
従業員平均年齢は17位の43.5歳と、1位のRISEより10歳以上若いにも拘わらず、平均勤続年数が2位と長くなっています。新入社員として入ってきた従業員が長期間にわたって仕事を続けている会社であることがわかります。
3位は東急不動産ホールディングスの20.2年で、従業員56人の平均年齢は45.3歳です。従業員東急不動産ホールディングスは東急不動産、東急コミュニティー、東急ハンズなどを束ねる持株会社で、2019年3月竣工の大規模オフィスビル「渋谷ソラスタ」を手掛けるなど、活発に事業を拡大化させています。
上位3社に共通しているのは、いずれもグループ企業を束ねる持株会社であるということです。持株会社の従業員は安定性が高く、また経営陣から信頼を得ている社員が多いので、長続きするということなのでしょう。
なお、2018年7月にも同様のランキングを集計・発表していますが、今回、大きな変動はありませんでした。
関連記事
「【2018年3月期 最新版】不動産業界 平均勤続年数ランキング」
平均勤続年数ランキングトップ10と不動産業界全体の傾向
続いて、ランキング4位から10位までの企業をご紹介します。
4位 東京楽天地 17.9年
5位 三菱地所 17.08年
6位 テーオーシー 15.8年
7位 セントラル総合開発 14.8年
8位 平和不動産 14.4年
9位 ヨシコン 14.3年
10位 LCホールディングス 13年
「長く勤続できる就職先」として検討する場合、持株会社は単体では従業員を募集していないケースが多いので、4位~9位の企業が狙い目と言えます。大手財閥系デベロッパーの中では、三菱地所が5位にランクインしており、働きやすい環境であることが窺えます。
調査対象106社全体の平均勤続年数は約7年と、総務省統計局公表の「日本の統計2018」による全職種66種の平均勤続年数9.2年よりも2年以上短くなっています。
もっとも平均勤続年数が短かったのはロードスターキャピタルとエリアクエストの2社で、1.8年でした。勤続年数が短いからといってブラック企業であるというわけではなく、歴史の浅い会社や新入社員や中途採用が多い会社の場合、平均勤続年数は短くなります。そのため、会社の規模や成長具合とあわせて働きやすさを判断する必要があります。