上場不動産会社 役員の出身大学ランキング【2019年4月集計版】
上場企業106社(※)のうち、学歴が開示されている役員につきまして、出身大学を多い順にランキングしました。不動産業界に強い影響力をもつOBを多数輩出している大学はどこなのでしょうか。合わせて学部や文系・理系の割合についても調査しました。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
集計方法
・2018年1月期から2018年12月期までに公表された企業の有価証券報告書、企業HPや新聞、情報サイト、調査会社などの報告から集計
・「出身大学」と「出身大学院」が双方判明している場合は「出身大学」を優先、どちらか一方のみ記載されている場合は記載されている大学名を集計
不動産上場企業役員の出身大学1位は慶應義塾大学
1位は慶應義塾大学で、出身者は42人でした。三井不動産の岩沙弘道会長(法学部)、三重交通グループホールディングスの小倉敏秀社長(経済学部)などが慶應出身です。
以前ご紹介しました「社長の出身大学ランキング」で1位だった慶應大が、役員の出身大学ランキングでも大差をつける形となりました。同大学OBで構成された不動産三田会などが存在し、卒業後も人的なつながりが密なことで、多くの企業で役員などの要職につくための手助けになっていると考えられます。慶應大学出身の役員は今回集計した役員253人のうち約17%を占めています。
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2位は東京大学で、出身者は27人でした。住友不動産の高島準司会長(法学部)、ヒューリックの吉留学社長(法学部)などが東大出身です。
国内最難関大学は不動産業界においても強い影響力を持っています。たとえば、三井不動産の取締役には、2015年まで東京大学理事を務めた江川雅子氏(教養学部)が選ばれています。高い知性と豊富な知見を持つ東大出身者に対する、大企業の厚い信頼が感じられます。東大OBは全体の約11%を占めています。
3位は早稲田大学で、出身者は25人でした。東京建物の野村均社長(商学部)、新日本建物の池田友彦社長(第二文学部)などが早稲田の出身です。
先述の「社長の出身大学ランキング」では5位とやや振るわなかったものの、役員ランキングでは東京大学と遜色のない人数となり、活力にあふれた早稲田OBの存在感を示す結果となりました。
不動産業界役員における理系・文系の比率と、出身者が多い学部
253人のうち、約11%にあたる28人が理系の学部出身、または理系の大学を出ていることが判明しました。
大学別では、東京大学の理系学部出身の役員が7人と最も多く、次いで横浜国立大学の3人となりました。スター・マイカの水永政志社長(東大農学部)、センチュリー21・ジャパンの長田邦裕社長(横浜国立大工学部)などが理系学部の出身です。
続いて、出身学部が判明した206人を、多い学部順にランキングしました。
法学部出身者が最も多く、67人となりました。法学部が多い理由としては、不動産取引に必要な法律知識を学ぶことができることの他に、取締役や監査役に弁護士が起用されるケースが多いこともあります。
次いで多い学部は経済学部の45人となりました。
そうそうたる学歴の役員が大勢を占める一方で、デュアルタップの臼井貴弘社長(高卒)、東武住販の荻野利浩社長(県立福岡工高卒)、リベレステの河合純二社長(型枠大工技術者)など、学歴に頼らずに一流企業の社長となった方も複数存在します。学歴以上に、仕事に対する情熱や才能が大切であることも裏付けられました。