上場している建設企業170社(※)を対象に、2018年の大発会と、大納会の株価を比較し、上昇下落率(騰落率)をランキング形式で集計しました。12月の株価下落で、建設業界はどの程度影響を受けたか、また株価が一定以上に上昇した企業は何社あるのかをご紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

※注=編集部基準

(画像=写真AC)

集計方法

・2018年1月4日(大発会)の終値と2018年12月28日(大納会)の終値を比較

・大発会・大納会に取引がなかった企業は、取引があった直近の日の終値を比較

・2018年の途中に新規上場した企業は青字で表示し、「2018年新規上場日」の欄に月日を記載

・2018年中に株式分割を行った会社は「2018年大発会(終値)」の欄の数値を赤で表示、株式分割後と比較できるよう調整した値を「株式分割調整後終値」の欄に掲載

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2018年、一年の騰落率が25%以上の建設会社は3社

1位はウエストホールディングスで、2018年の大発会当時771円だった株価が1,253円に上昇し、騰落率は62.52%となりました。ウエストホールディングスは太陽光発電システム事業に特化した会社です。住宅や工場等へのソーラー発電の設置、高圧太陽光発電の設置を中心に、ソーラー発電の企画・販売からメンテナンス・リサイクルまで幅広く行っています。

ウエストホールディングスは9月までは700円台でしたが、10月に業績予想の上方修正と配当引き上げを発表してから上昇し、10月半ばには1,000円を突破、12月3日には1,348円まで上がりました。12月の株価下落にも大きくは左右されず、高値を維持しています。好決算と再生可能エネルギー事業への将来的な期待が好材料となっているようです。

2位は金下建設で、2018年の大発会当時731円(株式分割調整後終値3,655円)だった株価は大納会には4,590円となり、騰落率は25.58%となりました。金下建設は京都や近畿を中心に土木・建築工事を行っており、官公需に強いのが特色です。

金下建設は、ドバイに拠点を置く独立系資産運用会社のブラッククローバーによって株式を大量保有されています。8月7日時点では、総株主の議決権の数に対する割合は8.51%でしたが、12 月21日時点では10.63%と、ブラッククローバーによる株式保有割合が増しています。こうしたファンドによる買いの動きにより、株価が上昇しています。

3位は大豊建設で、2018年大発会当時565円(株式分割調整後終値2,825円)だった株価が大納会時点で3,545円となり、騰落率は25.49%となりました。大豊建設は昭和24年設立の歴史ある建設会社で、土木建築工事を主な事業としつつ、水力発電の調査、測量、設計の受託施行や不動産開発を行っています。

11月1日に、業績好調により業績予想の上方修正を発表したことから株価が値上がりしました。堅実経営で知られる会社であることから、12月の下落相場にも大きくは影響されずに株価を維持しています。

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2018年の騰落率が10%以上だった建設会社は10社

続いて、1年間の騰落率が10%以上のプラスになった企業をご紹介します。

4位 新日本空調 17.82%

5位 タマホーム 17.37%

6位 北海電気工事  15.61%

7位 オーテック  14.89%

8位 日本リーテック 12.63%

9位 ライト工業 12.11%

10位 エムビーエス 10.93%

2018年の騰落率がプラスとなった企業は22社でした。

先日ご紹介した記事では、上場不動産企業のうち、年間騰落率がプラスになった企業は106社中7社と、全体の7%程度でした。

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不動産会社 株価上昇下落率ランキング【2018年版】

これに比べ、上場建設会社は約13%の企業がプラスとなり、不動産業に比べて昨年12月の下落相場に左右されなかった企業が多かったことになります。

もっとも、不動産会社では株価上昇率100%以上の企業が2社あったのに対し、建設会社ではランキング1位の会社でも60%程度と、小幅な上昇となりました。そのため、170社の年間の騰落率の平均は約20%の下落となり、不動産業とほぼ同じ下落率となりました。

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