不動産企業109社(※)のうち上場企業106社を対象に、2018年の大発会と大納会の株価を比較し、騰落率をランキング形式でご紹介します。年末の株価下落に左右されずに、年始よりも株価を上昇させた企業は何社あるのでしょうか。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
(画像=写真AC)
集計方法
・2018年1月4日の終値と2018年12月28日の終値を比較
・「日本ハウズイング」は12月28日には取引が無かったため、12月27日の終値を比較(緑で表示)
・2018年中に株式分割を行った会社は「2018年大発会(終値)」の欄の数値を赤で表示
・株式分割後と比較できるよう調整した値を「株式分割調整後終値」の欄に掲載
2018年、1年間で上昇下落率100%以上の不動産会社は2社!
1位はエムティジェネックスで、2018年1年間の株価上昇騰落率は526.41%でした。エムティジェネックスは森トラスト傘下の企業で、森トラストの不動産に付属する駐車場の管理運営や、オフィスビル・住宅のリニューアル事業を手掛けています。
エムティジェネックスは8月10日に四半期報告書を公表、4~6月期の連結決算が増収増益となったことから、市場では業績上振れへの期待感により、株価が急騰しました。7月末時点で4,250円だった株価は、9月25日には4万5,950円と10倍以上に跳ね上がり、その後10月末には1万3,100円と大きく値下がりするものの、12月末の時点でも1万2810円と、年始の時点から比べて5倍以上の高値を維持する結果となりました。
2位はランドビジネスで、1年間の株価の上昇騰落率は130.58%となりました。ランドビジネスは都心を中心に展開するオフィス「プラザシリーズ」や、賃貸住宅「ラナイシリーズ」といった不動産賃貸事業や、不動産投資、設計建築など手掛ける不動産デベロッパーです。
ランドビジネスは9月まで300円台でしたが、同月に5億円の自社株買いを発表して以降、12月の株価暴落にも影響されずに上昇を続けています。小型ゆえの浮遊株の少なさや業績の底堅さ、2017年から一貫して株価が上昇傾向にあることなどが好材料となったようです。自社株買いは2019年9月まで行われるため、この傾向はまだ継続するかも知れません。
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2018年の年始よりも年末の方が株価が上昇した企業はわずか7社
続いて、株価が上昇し、1年間の騰落率がプラスになった企業をご紹介します。
3位 シーアールイー
4位 三重交通グループホールディングス
5位 プロパティエージェント
6位 住友不動産
7位 カチタス
2018年12月半ばから、世界的な株価下落が起こりました。国内市場でも日経平均株価が25日に1万9156円まで下がり、2万円を割ったことで投資家の不安が高まりました。。不動産業界も例外ではなく、調査した多くの企業で12月に年初来安値を記録、106社のうち99社までが1年間の騰落率がマイナスとなりました。106社全体の株価の平均では、約20%の下落率となっています。
もっとも、不動産業界全体の経常利益率は改善傾向にあります。世界的な株安傾向の割を食っただけで、実態の経営状況は力強さがあります。
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そのため、短期的な値下がりに振り回されずに、落ち着いて株価の動向を観察する必要があるでしょう。
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