不動産企業109社(※)のうち上場企業107社を対象に、外国人持株比率(個人・法人)の高い会社をランキング形式でご紹介します。外国人投資家は日本の不動産会社にどの程度関心をもっているのか、不動産会社の外資割合の現状を調べました。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
(画像=フリー素材.com)
集計方法
・調査日:2018年12月15日~16日
・発行済株式総数に対する大株主の持株比率のうち、外国法人または外国籍の個人が所有している比率を集計
外国資本比率30%以上の不動産企業は3社!
1位はアスコットで、外国人持ち株比率は59.87%と、株式の約6割を中国・香港の1社が所有しています。アスコットは東京都心でデザインにこだわった分譲マンション「アスコットパーク」をはじめとした不動産開発や、コンサルティングなどの不動産ソリューション事業を手掛けています。
アスコットは、2016年に中国平安グループが筆頭株主となり、2017年に同グループの子会社となりました。筆頭株主である森燁有限公司(SUN YE COMPANY LIMITED)が発行済株式総数のうち59.87%を所有するほか、平安グループの日本における投資活動の拠点である「平安ジャパン・インベストメント」が12.95%を所有しており、2社合計72.82%が平安グループからの出資となっています。
2位はロードスターキャピタルで、外国人持ち株比率は36.56%となっており、株式の約36%をケイマン諸島に籍を置く1社が所有しています。ロードスターキャピタルは、個人が1万円から不動産投資ができるクラウドファンディング事業「OwnersBook(オーナーズブック)」や、不動産コンサルティング事業などを営んでいます。
ロードスターキャピタルの筆頭株主であり、36.56%を有する「Renren Lianhe Holdings」は、中国の「Renren Inc.」の100%子会社です。Renren Inc.は中国のSNS「人人網」を運営する企業などに出資している会社で、Renren Inc.のCOOであるジェイムズ・ジエン・リウはロードスターキャピタルの取締役を兼任しています。
3位はASIAN STARで、外国人持ち株比率は34.43%となっています。この持ち株比率は香港の会社ら、外国系企業4社合計の数字です。ASIAN STARは神奈川県を中心に、「グリフィンマンション」シリーズをはじめとする不動産の賃貸管理や、不動産賃貸仲介・売買仲介業務などを手掛けています。
ASIAN STARは国内に留まらず、中国においても高級賃貸マンション管理やワンルームマンション賃貸事業を行っています。筆頭株主で、27.21%の株を所有する「KGI ASIA LIMITED-CLIENT ACCOUNT」は、ASIAN STARの関係会社である中国企業の思源国際発展有限公司より、所有する478,300株について委託を受け、株式を管理しています。
外国資本比率10%以上の不動産会社は13社
続いて、外国人持ち株比率が10%以上となった、4位から13位までの企業をご紹介します。
4位 トーセイ 18.52%
5位 シーアールイー 15.9%
6位 日神不動産 15.64%
7位 サンヨーハウジング名古屋 15.6%
8位 プレサンスコーポレーション 14.28%
9位 カチタス 13.37%
10位 平和不動産 12.08%
11位 THEグローバル社 11.93%
12位 三井不動産 10.4%
13位 エリアリンク 10.27%
調査した107社のうち、大株主に外国人投資家が存在する企業は73社にのぼりますが、うち60社は外国人持株割合が10%以下でした。今回の調査では、不動産業界の外国資本比率は高くなく、国内資本の企業が多くを占めることが分かりました。
経済産業省の「外資系企業動向調査」では、2017 年 3 月末時点で調査対象となった外資系企業数 3,217 社のうち、不動産業は39社と、全体の1.21%に過ぎないことが分かっています。「第51回 平成29年(2017年)調査結果」
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