不動産業109社(※)のうち、女性の役員比率が高い企業をご紹介します。男性とは視点の異なる女性が企業の意思決定に関与することにより、イノベーションや競争力の向上が期待されています。女性の活躍が国をあげて推進されていますが、不動産業界では、女性役員はどの程度存在するのでしょうか。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
(画像=写真AC)
集計方法
・2018年7月期までの最新の有価証券報告書を元に集計
女性役員の割合が20%以上の企業は6社!
1位はフージャースホールディングスで、8名の役員のうち、常務監査役と社外監査役の2名が女性と、女性役員割合は25%となっています。フージャースホールディングスは「欲しかった暮らしを、しよう。」をスローガンに、全国でマンションや戸建ての分譲、スポーツクラブ運営などを手掛けています。
グループ会社を含めると600名の従業員を持つ東証一部上場企業ですが、女性の意見が反映されやすい体制といれるかもしれません。
2位はイオンモールで、役員17名中4名が女性と、女性役員割合は23.5%となっています。イオンモールはイオングループの中核を担う企業で、全国各地でショッピングセンターを開発・運営しています。
国内外合わせて200店舗を構え、従業員数は3,372名にもなる大企業です。ショッピングモールは女性客が重要なターゲットのため、役員にも女性が登用されているのは納得の結果といれるでしょう。
3位にはウィル、アズマハウス、ディア・ライフの3社が、女性役員割合22.2%の同率でランクインしました。いずれも役員9名中2名が女性です。順に紹介します。
ウィルは兵庫・大阪地域の不動産会社で、不動産流通事業や中古物件のリフォーム、開発分譲などを幅広く手掛けています。
グループ全体で199名の従業員がいます。女性役員2名のうち友野泉氏はウィルの代表取締役で、同じく代表取締役の坂根勝幸氏と2枚看板で企業のリーダーを務めています。男女共同参画社会の理想的な形といえるでしょう。
アズマハウスは和歌山県の不動産会社で、マンションや住宅の分譲販売、リフォームや賃貸等を幅広く行っています。
グループ全体の従業員数は188名です。女性役員2名のうち東優子専務取締役は社長である東行男代表取締役の配偶者です。
ディア・ライフは不動産事業や不動産投資、不動産業界などに向けた人材派遣などを行っている、東証一部上場の企業です。
有価証券報告書では役員9名中2名が女性となっていますが、公式サイトには取締役と監査役の他に執行役員の記載もあり、こちらを合計すると15人中3人、20%が女性役員となっています。
6位はコスモスイニシアで、役員10名のうち、2名が女性で、女性役員の割合は20%となっています。コスモスイニシアはマンションや戸建ての販売や賃貸をはじめとして、資産運用のコンサルティングまで幅広く手掛ける不動産会社です。
従業員数は519名で、取締役2名が女性となっています。
役員の女性比率が高い企業と、上場不動産会社全体の女性役員割合は?
7位から9位までは以下のようになっています。同率9位が3社あるため、上位11社をご紹介します。
7位 カチタス 役員11名中女性2名 18.2%
8位 グランディーズ 役員6名中女性1名 16.7%
9位 AMBITION 役員7名中女性1名 14.3%
9位 デュアルタップ 役員7名中女性1名 14.3%
9位 日本アセットマーケティング 役員7名中女性1名 14.3%
内閣府男女共同参画局のホームページによれば、全上場企業の女性役員割合は4.1%(2018年)となっています(内閣府男女共同参画局「上場企業における女性役員の状況」)。今回調査した不動産業109社のうち、上場企業108社全体の女性役員割合は4.35%となりました。他業種よりも女性の役員登用が進んでいるようです。男社会と言われている不動産ビジネスの世界で少し驚きの結果といえそうです。
しかし、女性役員を1名以上おいている企業は41社と、全体の半分以下に留まります。今後も引き続き、女性役員の積極的な登用が求められていくでしょう。
次ページ:ランキング結果はこちら
「不動産業界ランキング」 記事一覧はこちら