不動産業109社(※)を対象に、起業してから上場するまでにかかった年数を早い順にランキング形式でご紹介します。成長企業の目標でもある株式公開を創業から短期間で成し遂げた企業と、起業当時の創業者の年齢がわかる場合はあわせて表示します。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
(画像=写真AC)
集計方法
・2018年10月15日~22日の期間に集計
・各企業の公式サイトより集計
・公式サイトに情報がない場合は有価証券報告書より集計
・企業発足前の準備期間(研究会など)は期間に含まない
・日本証券業協会の店頭登録制度による株式公開は「上場」に含む
・日本証券業協会のグリーンシート銘柄制度は「上場」に含まない
・野村不動産ホールディングスについては「野村不動産」の沿革より集計
・現在は上場を廃止している企業を含む
・創業者の起業時の年齢は起業年から生年を差し引いて算出
起業から3年以内で上場した会社は5社!
1位は京阪神ビルディングで、1948年に起業して1年後の1949年には大阪証券取引所に上場しています。京阪神ビルディングは場外勝馬投票券発売所(ウインズ)の賃貸を事業の中心に、ビル、商業施設、物流施設などの賃貸を行っています。創業時の社名は京阪神競馬でした。
競馬ファンにはおなじみの「阪神競馬場」を1949年に竣工したのはこの企業で、1955年には日本中央競馬会へ同競馬場を譲渡しています。
創業から約1年で上場という早さに驚く方も多いと思いますが、実は証券取引所は戦後直後に停止しており、1949年になって再開されました。
終戦から数年は戦後復興のために多くの企業が誕生し、再開直後の証券市場に上場したケースが多かったようです。
2位は平和不動産で、1947年に起業して2年後の1949年には東京、大阪、名古屋の各証券取引所に上場しています。平和不動産は証券取引所やオフィス、商業施設等の賃貸事業や不動産ソリューション事業を営んでいます。
平和不動産の前身は、1943年設立の半官半民の株式取引所である日本証券取引所です。平和不動産は1947年に日本証券取引所が解散されるにあたり、同所が発起人となって設立された会社です。証券取引そのものとの関連が強く、上場が早かったと考えられます。
同じく2位はAPAMANで、1999年に起業して2年後の2001年には大阪証券取引所(ナスダック・ジャパン)に上場しています。APAMANは、民泊やコワーキングスペースなどのシェアリングエコノミー事業、不動産の賃貸斡旋・賃貸管理などのプラットフォーム事業、IoTやビッグデータを活用したクラウドテクノロジー事業など、ITを駆使した事業に取り組んでいます。
大村浩次社長は創業当時34歳でした。1998年頃、数人の大手賃貸管理業経営者とともに、全国の不動産賃貸店舗をフランチャイズチェーン化するための研究を進めていたことが、同企業発足の契機となっています。
創業時の社名アパマンショップネットワークに馴染みがある人も多いかもしれません。
4位はディア・ライフで、2004年に設立して3年後の2007年には東京証券取引所・マザーズ市場に上場しています。ディア・ライフは不動産投資向けの開発事業や、中古マンションのレジデンス・リセール事業、外国の投資家に日本の不動産への投資提案を行うアセットマネジメント事業などを手掛けています。
創業者の阿部幸広社長の創業時の年齢は36歳で、現在は株式会社パルマの取締役会長も務めています。
同じく4位はエリアクエストで、2000年に設立して3年後の2003年には東京証券取引所・マザーズに上場しています。エリアクエストは事業用不動産賃貸を生業とし、繁盛店を駅前に誘致することで街の発展に貢献する事業を展開しています。
創業者で清原雅人社長の創業当時の年齢は33歳でした。野村證券の元社員で、証券市場への理解が深く、早期の上場を目指して起業したそうです。
起業から5年のスピード上場企業は10社
続いて、起業から5年で上場し、同率で6位にランクインした5社をご紹介します。
6位 スター・マイカ
2001年起業 2006年大阪証券取引所ヘラクレス市場(現:東京証券取引所JASDAQ市場)上場
6位 ロードスターキャピタル
2012年起業 2017年東京証券取引所マザーズ市場上場
6位 サンウッド
1997年起業 2002年日本証券業協会に株式を店頭登録
6位 日本アセットマーケティング
1999年起業 2004年東京証券取引所マザーズ市場上場
6位 サンフロンティア不動産
1999年起業 2004年日本証券業協会に株式を店頭登録
以上の5社のうち、年齢が分かったのは、ロードスターキャピタルの創業者・岩野達志現社長の起業時年齢39歳、サンフロンティア不動産の創業者・堀口智顕現社長の起業時年齢は41歳でした。
5年以内のスピード上場を成し遂げた企業のうち、創業者の年齢が判明しているケースについては、30代で起業した社長が多いことが分かります。30代は若さや柔軟性、社会経験や思慮深さのバランスが良く、起業に相応しい世代なのかもしれません。
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