上場している不動産業109社(※)を対象に、関係会社(子会社・関連会社)の数をランキング形式でご紹介します。子会社や関連会社の数は、企業規模の大きさや活動の幅広さを計る指標となります。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
(画像=写真AC)
集計方法
・2017年4月~2018年5月期の期間で報告されている企業の有価証券報告書をもとに集計
・小規模な非連結子会社や持分法非適用関連会社については、注記事項に名前や実数が記載されているものは集計に加算
・非連結子会社や持分法非適用関連会社について、有価証券報告書に具体的な実数の記載がない場合は、連結子会社と持分法適用関連会社のみを集計
子会社と関連会社合わせて100社以上の企業は3社!
1位は三井不動産で、連結子会社242社、持分法適用関連会社71社となり、合計数は313社となりました。主要な関係会社数が300社を超えており、また前年度の関係会社合計283社から30社増加しているところからも、企業活動の好調さが窺えます。三井不動産はビル・商業施設等の賃貸事業や、業務施設等の分譲事業を行っています。
主な関係会社としては、三井不動産が行う賃貸事業につき管理・清掃・保守業務を担当する「三井不動産ファシリティーズ」「三井不動産ファシリティーズ・ウエスト」(いずれも連結子会社)、駐車場事業「リパーク」を営む「三井不動産リアルティ」(連結子会社)、東京証券取引所第二部に上場している「帝国ホテル」(持分法適用関連会社)などがあります。また、イギリス、アメリカ、マレーシア、シンガポール等の外国にも子会社を置き、不動産賃貸事業や分譲事業を行っています。
2位は三菱地所で、連結子会社220社、持分法適用関連会社78社となり、合計数は298社となりました。こちらも300社近くの関係会社を有し、前年度の関係会社合計270社から28社増加と、規模を拡大しています。三菱地所はビルの賃貸事業、商業施設や物流施設の開発・賃貸を行う生活産業不動産事業、住宅事業等を行っています。
主な関係会社としては、「サンシャインシティ」(連結子会社)、「御殿場プレミアム・アウトレット」を経営する三菱地所・サイモン(連結子会社)、丸の内エリアにて通信事業者等に対し光ファイバー網を賃貸する「丸の内ダイレクトアクセス」(連結子会社)などがあります。
また、三菱地所はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、シンガポールやオーストラリアなどの世界各国に子会社を設置し、不動産開発事業、不動産賃貸事業を展開しています。
3位は東急不動産ホールディングスで、子会社143社(連結子会社131社)、関連会社45社となり、合計数は188社となりました。前年度の関係会社合計169社から19社増加しており、順調な経営状態のようです。東急不動産ホールディングスは都市事業、住宅事業、管理事業、仲介事業等を幅広く行っています。
主な関係会社としては、マンション、戸建住宅等の分譲を行う「東急不動産」(連結子会社)、会員制リゾートホテル等の分譲等を事業とする「東急リゾート」(連結子会社)、住生活やハンドメイド用の素材・商品などの小売りを行う「東急ハンズ」(連結子会社)などがあります。
東急不動産ホールディングスに関連しては、「東京急行電鉄」は子会社や関連会社ではありませんが、関連当事者となっています。
三井不動産と三菱地所は不動産業界で双壁をなす企業ですが、関係会社数においても他の企業から抜きん出ており、2社の企業規模の大きさを改めて実感する結果となりました。この2社は海外でも活発に事業を展開しています。3位には東急不動産ホールディングスがランクインしました。
関係会社数トップ10企業は、前年度と比べてどう変化した?
4位から10位までの企業は以下のようになっています。
4位 スターツコーポレーション 子会社77社 関連会社5社 合計82社(前年比+7)
5位 リログループ 子会社63社 関連会社6社 合計69社(前年比+5)
6位 NTT都市開発 子会社27社 関連会社24社 合計51社(前年比+11)
7位 住友不動産 子会社49社 関連会社0社 合計49社(前年比-3)
8位 東京建物 子会社35社 関連会社13社 合計48社(前年比-4)
9位 野村不動産ホールディングス 子会社27社 関連会社16社 合計43社(前年比+12)
10位 イオンモール 子会社41社 関連会社0社 合計41社(前年比-1)
今年度と前年度の関係会社数を比較すると、上位3社以外では、NTT都市開発と野村不動産ホールディングスが10社以上と大きく関係会社を増やしています。一方、住友不動産や東京建物、イオンモールは、若干ですが関係会社を減らしています。
以前、記事でご紹介したように、不動産業界全体では経常利益率が改善傾向にあります。
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不動産業界 経常利益率ランキング【2018年5月期 最新版】
このような中で、活発に関係会社を増やす企業がある一方、ランキング上位であっても拡大路線を取らず、堅調に構える企業があることが読み取れます。