不動産業109社(※)を対象に、所有している不動産の金額の合計をランキング形式に紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
(画像=写真AC)
集計方法
・有価証券報告書に記載されている財務諸表(連結の場合は連結)から、資産の部にある流動資産と、有形固定資産から集計
・信託建物・信託土地といった有形固定資産や、借地権などの無形固定資産は除く
・原則、減価償却累計額は考慮しないが、減価償却累計額が差し引かれた「純額」のみの表記しかない企業においては、ランキング表の社名の横に★マークを入れた
上位は恒例の財閥系 保有不動産5兆円超えは三井不動産と三菱地所
1位は、5兆3,574億円の不動産を所有している三井不動産でした。同社は東京・日本橋を始めとした都心の不動産を大量に保有しています。有価証券報告書によると、保有している有形固定資産のうち、土地は2兆381億円と、金額にして全体の38%を占めています。本拠地である日本橋のまちづくりだけではなく、日比谷ミッドランドなど都心エリアでの開発に熱心です。
2位の三菱地所は5兆1,681億円と、こちらも5兆円以上の不動産を保有しています。同社も三井不動産と同様に、東京・丸の内などの都心部分の不動産を多数保有しています。保有している有形固定資産のなかで、土地は2兆2兆632億円と1位の三井不動産よりも僅かに多く所有していることが分かります。
3位の住友不動産は4兆2,661億円でした。こちらも東京や関西に好立地の土地を保有しています。有形固定資産のなかの土地は、2兆4,641億円と、上位2社よりも更に多く土地を保有しています。
Top10にランクインした上位の顔ぶれは、財閥系や鉄道系企業が占める恒例の結果になりました。
今回集計した項目において、重要視する項目は有形固定資産の額です。
一般に有形固定資産が少ない不動産企業は業績の基盤となる資産の流動性が低いとされます。そのため、事業が将来にわたってどうなるのかが不透明に感じられると指摘する声もあります。流動資産の部にある「販売用不動産」や「開発用土地」などを大量に保有していたとしても、いずれは手元を離れる資産になるため、安定的な自社の資産にはならないためです。
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ストック型のビジネスである賃貸事業などにも有形固定資産は関わってきます。一方で、広大な土地や多数不動産を所有していても、価値がなければ良い資産とは考えられないことも事実です。所有する総量だけではなく、中身も注意深く見なければなりません。
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