不動産業109社(※)を対象に、売上当たりの経常利益の割合(経常利益率)をランキング形式で紹介します。経常利益率は、企業の実力を測る指標とされています。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
(画像=写真AC)
集計方法
・2017年4月~2018年5月期の期間で報告されている企業の決算書・有価証券報告書をもとに集計
・連結決算情報の売上高と経常利益を元に計算
経常利益率30%以上の企業は5社!
1位は日本アセットマーケティングで、売上高191億円に対し経常利益72億円で、経常利益率は37.6%でした。ドンキホーテホールディングス傘下のビル賃貸・不動産管理会社です。総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を始めとした商業施設の管理運営や、テナント収入が売上の大半を占めており、不動産開発のような不動産の仕入れを伴わないため高い利益率を維持しているようです。
2位は、京阪神ビルディングで、売上高148億円に対し経常利益50億円で、経常利益率は34.1%でした。同社は、場外馬券場のウインズビルをはじめとした商業施設や物流センター、オフィスビルの賃貸事業がメインの会社です。関西を中心とした事業展開でしたが、近年では東京・港区や渋谷区にもオフィスビル取得しています。昨今の首都圏における高いオフィス需要に伴った賃料増額改定なども高利益率の要因です。
3位は、センチュリー21・ジャパンで売上高40億円に対して経常利益12億円で、経常利益率は31%でした。ご存知の通り、同社は不動産仲介店のFCサービスを展開しています。主な収入源は、加盟店からの加盟料とサービス利用料です。不動産ビジネスのなかでも、物件を購入することもないため、高い利益率をほこっています。加盟店の数は前年期921、今期935と10以上増加しています。
4位 ランド 30.7%
5位 ゴールドクレスト 30.2%
今回集計した109社のうち、経常利益率が30%を超えている企業は5社でした。
高い経常利益率の要因のひとつとして、現在好調なオフィスや商業施設のテナント事業が挙げられます。
上位10社のうち
・日本アセットマーケティング
・京阪神ビルディング
・ダイビル
・平和不動産
・レーサム
・テーオーシー
・サンフロンティア不動産
の7社が商業施設やオフィスビルのテナント事業を行っていることが分かります。
大きな経費を必要としないストック型のビジネスが高い経常利益率を生み出しているようです。
不動産業界全体で経常利益率は伸びている?
今年の7月に集計した売上高ランキングでは、不動産業界が伸びていることを紹介しました。
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では、経常利益率は前年期と比べて増加しているのでしょうか。
集計の結果、前年期の109社の平均した経常利益率は9.9%、今回集計した平均経常利益率は10.3%と、僅かに増加していることが分かります。
しかし一方で、前年期では経常利益率がマイナスだった企業は3社だったのに対して、今回の集計では5社と、増加していることも分かりました。
業界全体では経常利益率が改善している一方で、少しずつ業績が好調な企業と、低迷している企業の格差が生まれているのかもしれません。
経常利益の増加率が高い企業トップ10も集計しました。