不動産テック企業約150社(※)の社長を対象に、出身大学を多い順にランキング形式で紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)
※注=編集部基準
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(画像=Pixabay)
集計方法
・公表されている資料や報道、独自取材をもとに各社社長の経歴を集計
不動産テック企業の早慶対決 多いのはどっち?
集計の結果、1位は慶應義塾大学で出身者は14人でした。
慶應義塾大の1位は、2018年3月に集計した不動産業界の出身大学ランキングにも共通しています。さまざまな業種で活躍する慶應出身者の強さが、不動産テックでも発揮されているようです。その一方で出身学部を見ると、不動産業界では法学部4人、商学部4人、経済学部3人といった学部が占めているのに対し、不動産テック企業においては環境情報学部(SFC)が最も多く、14人中5人が同学部の出身者でした。
環境情報学部は、加藤寛や竹中平蔵らによって1990年に創設された学部です。同学部は、政策デザイン、社会イノベーション、国策戦略、経営・組織、都市・地域戦略、先端情報システム、先端領域デザイン、先端生命科学、環境デザイン、人間環境科学の分野など(公式HPより)、100以上の研究が進められており、幅広い分野を扱うクリエイティブな学部です。
出身者もベンチャー企業の創業者や研究者、芸術家など多彩な人材を育成しています。
当サイトでも取材を行った、SengokuLAB・仙石裕明博士も、慶應義塾大学環境情報学部出身です。現在は、都市や空間、位置データなどの研究から、不動産業界で活用できるサービスを開発しています。
2位は早稲田大学で12人が出身者でした。
学部を見ると、政治経済学部が5人と最も多い結果でした。
政治経済学部を日本で最初に創立したのは早稲田大学で100年以上の歴史があります。著名な卒業生には、政界・官界・財界・法曹界・メディアなどで活躍している人が多く、多数の人材を輩出しています。
3位は東京大学で、出身者は6人でした。
学部別に見ると、工学部出身が4人と最も多い結果でした。
不動産テック業界では、IoTなどの分野において独自にプロダクト(製品)を開発している企業が多数あります。製品開発においては工学の知識は重要です。
東京大学工学部出身のStrobo・業天亮人社長も独自にプロダクト開発している一人です。同社は窓や扉に設置するホームセキュリティ『leafee』を販売しています。
4位は東京工業大学で6人です。
不動産業界の社長出身大学ランキングでは複数人がいかなったっため、ランクインしなかった東工大ですが、不動産テック分野では卒業生がたくさん活躍しているようです。理系の名門校の面目躍如といったところでしょうか。
不動産テック企業社長の文系・理系比率は?どの学部が多い?
では、文系・理系の比率はどうだったのでしょうか。
今回集計した67人のうち学部が判明している社長を対象に「文系」「理系」「その他」の比率を見てみましょう。
不動産テック企業社長・文系理系比率
文系61%、理系31%と、「不動産業界 社長の出身大学ランキング」と比べると、理系の割合が高い傾向にありました。やはり、テック(Technology)を標榜する企業が多いことから理系の割合も高いようです。
また、学部別の人数を見てみると、最も多い学部は法学部と工学部で9人、と同数だったことが分かりました。
不動産テック社長・学部別集計
不動産テック業界においては、主となる不動産業界の造詣が深いことも重要ですが、同時に、これまでの業界に悪血商慣習や業態を、テクノロジーでどう変化できるかという見地からのアプローチも必要であることが如実に表れている結果ではないでしょうか。
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